本間さん:nature No. 7203, 7224, 7225
イ1アドレナリン受容体の結晶構造の号がようやく消化されました。イ2が解けて以降、GPCRの構造も段々と報告例が増えてきましたが、なんでもこの結晶構造では安定なタンパク質を得るために全残基のアミノ酸置換を試したのだとか。やはり構造が中々出ないのにはそれなりの理由があるようです。構造は面白くないといいつつ八割方構造の話でしたが、構造以外のものでは、アーキアと細菌の共通祖先が高熱性だと思われていたのがリボソームRNAの分析から実は中温性だったことが分かったという話が新鮮でした。中温性の祖先から分岐する時に一旦高熱性となり、そこから再び中温性の生物が派生したらしい。地球の気候変動を考えると不思議な気もしますが、こればっかりは我々は生物に残された痕跡から想像することしかできませんね。
鈴木くん:PNAS 105 (44), (45), (46), (47)
溜まっていたため一挙に4冊紹介。若干消化不良だった気もしますが。Mixococcusのpredataxisの話。集合して果実体となった菌がさざ波のように大腸菌に襲い掛かり消化してしまう。predataxisの運動および適応にはfrzという因子が関わるらしいが、群体としての行動の統合はどう行っているのか、細胞間コミュニケーションのとり方など、興味深いネタが一杯ありますね。コレラ菌のMARTX毒素がACDドメインを介してホストのアクチン重合を阻害するらしい。この毒素は型分泌されるとのことですが、それにしてもコレラは沍^から、型までいろんな毒素を持っているもんです。
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