2015年6月22日

北山先生 Nature No.7549 & 7553
1)損傷した細胞をアポトーシス誘導するガン抑制遺伝子p53についての話。よくガンになるとp53遺伝子に変異が入るため。抗がん剤などの機能が低下する。p53遺伝子が抜ける時にその下流にあるPOLR2A (RNAポリメラーゼ)も同時に抜ける現象が起きる。このPOLR2Aをなくすと毒素であるアマニチン(RNAポリメラーゼに結合してmRNA合成を阻害)に対する抵抗が少なくなる。この結果からPOLR2Aをなくすと正常細胞の致死量よりも少量の毒素でガン細胞を殺せるため、ガン治療に利用できるのではないか?という論文。面白い発見ではあるが、ガンになったら全体的に免疫や耐性が下がってのでは?と感じるので、早期発見患者には有用かもしれないが難しいのではないかと個人的には思う。
2)線虫におけるミトコンドリアの量の維持のメカニズムについての話。老化するとミトコンドリアの数が減ることが知られている。ミトコンドリアはアポトーシス誘導の重要な因子であるため、この数が減少するとガンなどになりやすい。そのためミトコンドリアの維持はかなり重要である。ミトコンドリアの維持にはオートファジーが関与しているという先行研究があるため、NRF因子に相同性があるSKN1について研究を行った。その結果、SKNはミトコンドリアの合成と分解どちらにも関与していることが明らかになった。オートファジーが重要である事が分かっていたのに、その相同性がある蛋白質が関与するのは予想できる話であるため、なぜNatureに掲載されたか不明だった。

錦野くん PNAS Vol.112 No.20 & 23
初めての発表であるし、急遽予定を変わってあげての発表であったのでよく頑張っていると思う。しかし、説明のスピードが早くてよく分かりませんでした。
1)CRISPR-Casシステムのλファージを使って多剤耐性のバクテリアを殺すシステムを作りましたという話。なぜ抗生物質耐性がない菌体は殺さないのかいまいち分からなかったが、最近の流行であるCRISPRの話で面白いと思う。

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