Dong et al., インテグリンと複合体を形成したTGF-β1の構造を明らかにすることで、アクチン細胞骨格により生じた張力がインテグリンのβサブユニットを介して加わった際に、TGF-βが放出される機構について明らかにされ、力の伝達による特殊なシグナル伝達機構が示された。機械刺激受容ということで興味深かった。
近藤 Science Issue 6329, 6300, 6334
Blondiaux et al., spiroisozazoline SMARt-420というTetR様理プレッサーを不活化する分子が、結核菌の抗生物質エチオナミド耐性の感受性を上昇することを見つけた。耐性菌が出現する中、排出系を抑える薬や、体内での薬剤活性を上昇するような薬が求められている。
Kato et al., 染色体から遺伝子が読み取られる際に、ヌクレオソームの構造変換によって染色体からの読み取りを可能にしている。この遺伝子の読み取り過程で形成されるオーバーラッピングダイヌクレオソームの立体構造を解明するために、試験管内でヒトのオーバーラッピングダイヌクレオソームを再構成して、X線結晶構造解析を行って、読み取りの詳細な機構が明らかになった。来月6月23日にIGER講演会で話される胡桃坂先生のところのお仕事です。
伊村 PNAS vol.114 no. 16, 18.
Carel et al., Corynebacterium glutamicumで見られる聞き慣れないO-mycoloylationsについて修飾について詳しく調べたという話です。グルタミン酸産生株で有名ですが、研究材料としては、なじみのうすい菌です。
Grabowicz et al., プリンストン大学のThomas Silhavyさんのところの仕事です。外膜リポ多糖の輸送にこれまで必須と考えられてきたLolABが必ずしも必要でないという報告です。このLolABの仕事は、東京大学に昔おられた徳田先生のところで、分四にも所属していた薬師さんが徳田先生のところで行った研究を否定するものです。ある意味では、ネガティブデータでPNASにというのは、不満が残りますね。