錦野さん Science Vol.357 #6352 , Vol.356 #6345
(6352) Derek L. Huang et al.
Fアクチンと結合し骨格を強化するタンパク質Vinculinについて、Fアクチンとの結合が力の負荷によってどのように変わるかを明らかにしたの話。single-molecule optical trap assayを用いて、力依存的なアクチンとの結合様式を明らかにした。
(6352) Desiree Bock et al.
Amoebophilus asiaticusのtype 6 secretion systemの構造解析をした話。この系は、宿主膜との相互作用を媒介し、ファゴソームの脱出に関与していると考えられた。また構造の違いから、進化において、細菌がファージからこの注入システムを取り込んだ過程にある種であるという考えはおもしろいと思った。
(6345) Funmilayo Adebesin et al.
ペチュニアを使って、植物の揮発性物質の放出について、ABCトランスポーターPhABCG1による能動的な放出の存在を明らかにした話。RNA干渉によって揮発性物質の放出を減少させると、細胞死へとつながることを示した。花粉だけでなく花弁からも香りが出ていることは知らなかった。

小嶋先生 PNAS Vol.114 No.8, No.9, No.39
Tomoaki Matsuura et al.
生体内の反応のネットワークの動的特徴を解明するために、大腸菌に基づくペプチド合成の計算モデルを構築したという話。生体内の複雑な反応を広範囲にに理解することができるとても有用な技術であると感じた。
Takayuki Shimizu et al.
紫色光合成細菌Rhodobacter capsulatusの硫化物依存光合成における、細胞内の硫黄センサーとして硫化物応答転写レポーターSqrRを同定したという話。MSによる解析で、SqrRが分子内四硫化結合を形成することを示している。
Eunna Choi et al.
細胞内病原体Salmonella enterica serovar Typhimuriumにおいて、fljBでコードされたフラジェリン合成が増加されることで自然免疫から逃れやすくなるという話。鞭毛の話でなじみの深い話だった。

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