Science
#6359, Gremer et al.
アミロイドβで形成される繊維状構造の解析の話。クライオ電験により、繊維を形成する2本のプロトフィラメントの会合が4Åで解析された。このようなデータに基づいて医薬品の開発が行われるのだろうが、出来上がったアミロイド繊維を解体するような薬剤の開発は難しいように思った。やはり、予防的に服用する薬ということになるのだろうか。高齢になってから現れるアルツハイマーの耐性は進化的には選択されてこなかったと思うが、すでに知られている多型のなかにはアルツハイマーになりにくいものがあるかもしれない。今後の高齢者医療費の増加との関係もあって、もしかするとこういったところから、ヒトの遺伝子改変は始まるのかもと考えたりもした。
#6362, Kadam et al.
抗インフルエンザ薬は、これまでノイラミニダーゼがターゲットとなってきた。AIDSでもHIVの逆転写酵素が標的となっているように、一般に酵素活性を阻害するような薬剤が多いとおもう。今回はヘマグルチニンの構造変化を抑えるペプチドを作り出したというものだった。少し変わった機序による薬剤と思うが、インフルエンザの患者抗体がもとになっていると聞いて、やはりこういった薬品をロジカルに作り出すのは難しいのか、とも思った。