個人的に面白かったものを抜粋。
寺島さん
Nature 2誌から5報の発表。急遽小嶋さんの代役とのこと。
Xiyu Ma et al.,
植物の免疫の話。免疫応答を起こすBIK1(RLCKsの一種)がリン酸化、ユビキチン化の順に修飾されて活性を持つことが明らかになった。修飾の順番が大切で、学部時代の嘉村さんの講義が思い出されて懐かしかった。
Jian Shang et al.,
今話題のコロナウィルスの話。サーズウィルスとの比較の結果、レセプターに結合するためのスパイクタンパクの構造が類似しており、収斂進化したことが予想されるとのこと。当り前といえばそれで終わりだが、それだけコロナへの注目度が高いのだろう。
相良くん
Science 3誌から4報の発表。
Sean P. Leonard et al.,
ミツバチにおいて、腸内細菌をコントロールすることで免疫力を上昇させるという話。ミツバチの免疫に有用な2本鎖RNAを転写するDNAを含むプラスミドを持つ菌を腸内に定着させることで、ミツバチの免疫力が向上することを見いだした。哺乳類のみならず、昆虫でも腸内細菌が免疫に寄与するということが興味深かった。疑問としては、細菌が生成した2本鎖RNAがどのようにミツバチの体内に行き届くのかが気になった。
堀くん
PNAS 2誌から4報の発表
Guillaume Chomicki et al.,
アリが農業をする話。堀くんらしいテーマ。日当たりのいい位置に植物を植え、窒素(排泄物)を提供し、被食を抑えるためにパトロールまでしていることがわかった。やっていることはヒトと差異がなく、きわめて高等だと感じた。