ELI class(その1) |
さて、僕は3月から先週木曜までの2ヶ月間、English Language Institute (ELI) の classをとっていました。なかなか伸びない英語力を気にして、少しでも英語を話す時間を増やしたかったので、このclassを取ったのです。
ELIとは、第2言語として英語を話す人たちを対象に英語教育を行う機関で、University of Utahだけでなく、おそらくどの大学にも併設されていると思います。大学とは直接関係しているわけではないようですが、施設は大学のものを間借りして使っています。ELIで学んでいる人たちは、アメリカの大学に入るために必要なTOFELのテスト対策のために英語を勉強している人、アメリカで働くために必要な資格試験のために英語を勉強している人、アメリカに働きに来た方の配偶者の方で英語を習いに来ている人など、いろいろいますが、もちろん全員外国人です。年齢もバラバラで、30代の人もいれば10代の人もいました。
ELIでclassを受けるには?
さて、アメリカの大学(院)入学を目指してELIに来ている方がどのようにしているのかは分からないので、ここではポスドクですでに来ている方でELIのクラスを取る場合について僕の体験を元にお話ししたいと思います。
University of Utahの場合、大学で行われているclassの解説が載っているシラバスのような冊子が至る所に置いてあります(無料)。僕の場合まずこの冊子を見て、ELIの存在を知りました。ELIのclassにも色んなものがあって、levelが6つに分けられています。冊子を良く読んで、自分が何を勉強したいかを調べます。UのELIの場合、class登録の前に面接と学力を調べるテストが必要なので、次にELIに電話して面接のappointmentをとります。電話でのやりとりに不安がある場合は直接ELIに出かけて頼むのも良いでしょう。Uの場合、ELIの事務所はANNEX Buildingにあります。
さて、面接ですが、実際にinstructorになっている人と1対1で話をします。僕の場合、どのクラスを取りたいか、なぜELIで勉強したいのかなどを聞かれました。あなたはクラスなんて取らなくてもちゃんとしゃべれるじゃないか?、というので、ラボにいるとどうしても話す時間が少なくなり、英語がちっとも上達していないんだというと、納得してくれました。本当は試験があるのですが、僕の場合面接をしてくれた先生が「あなたの場合試験は必要ない」というので、面接なしで希望のクラスを取ることが出来ました。終始和やかな感じで話をしてくれるので、緊張することはありません。僕が選択したのは、oral proficiencyと言うクラスで、一応level 5になっていました。speaking, listening, pronounciationを鍛えることを目的としたクラスです。月曜から金曜まで毎日、11:50-12:40の50分間行われます。
さて、取るクラスが決まると、次にお金を払わなければなりません。ここで、ポスドクの皆さんは注意しましょう。Uの場合、クラスを取る段階ですでに6ヶ月以上ラボで働いている場合、staffのbenefitとして、大学側が授業料の半額を負担してくれるのです。他の大学は分かりませんが、お持ちのbenefitがtuition cutに有効かどうかを調べてみてください。ELIの授業料は半期で500ドルプラス税金が入るので、結構高いのです。僕の場合このbenefitを利用することが出来たので、250ドルプラス税金で済みました。half cut tuitionの申請は、まず学科のaccounting officeで自分の立場を確認してから、ANNEXにある大学のbenefit officeで申請用紙をもらい、そこに記入し、提出するだけです。あとは、ELI officeへ行き、tuition cutしてもらった旨を話すと、半額だけそこで請求されて、カードで支払いを済ませます。このように支払いにはカードで全て行えるので、日本と違い現金を必要としないので楽ですね。こうして登録と支払いを済ませれば、あとはクラスに行くだけです。
クラスの雰囲気
僕のクラスは全員で16人でした。国別でいうと、韓国が6人、日本3人、ブラジル2人、サウジアラビア1人、レバノン1人、中国1人、フランス1人、ロシア1人。日本人は僕以外は20台の若い女性でした。男女比は男性7名女性9名で女性の方が多かったです。年齢層は幅広く、すでに2人の子供をお持ちのフランス人主婦の方と、韓国から来ている看護婦さんが30台、僕と同じぐらいの年齢の人が数名、残りは20代前半です。大学入学のために英語を勉強している人、職業資格試験のために勉強している人(看護婦さん)、だんなさんについて来た女性、語学留学の人、などなど色んな人がいましたが、ポスドクは僕だけでした。みんなポスドクのことを知らなくて、すでにUで働いているのになぜここで勉強しているのか不思議だとよく言われました。たいていの人はELIのclassを一日に複数個受けているようです。だからかなりお金がかかっているようでした。
さて、最初部屋に入ってみて、みんな良くしゃべるので驚きました。英語に不自由しているとはいえ、英語を話したいという気持ちは皆とても強いようです。ただ、仕方がないと思うのですが、同じ国の人と話すときはみんな自国語で話してしまい、とくに授業が始まる前はみんな英語を使わないので少々閉口しました。そう言うときはEnglish, please!といいます。授業中はレバノンから来たAliとフランスから来たSophieが特に良くしゃべってクラスを盛り上げていました。サウジアラビアから来たAzizはクラスの人気者で、良くしょーもない冗談を言っては笑わせてくれました。彼は自国では英語の教育を受けていなかったというのですが、何年も英語教育を受けてきた僕とほとんど同じくらい(いやそれ以上かな)話すことができるので、すごいなと思いました。classのmajorityが韓国人なので、彼らもとっても元気でいつも話題の中心になっていました。我々日本人はやはり?おとなしかったかな。でも僕以外の2人の女性も去年の秋からUtahに来ていて、上手に話すことができます。自己主張の強さの違いは国の違いに依るのかもしれませんね。ちなみに、僕はクラスの中で英語は下手な方でした。
さて、instructorの先生はGlenさんといって、アジアで暮らした経験を持つ中年の男性。とてもfriendlyでかつ彼の発音はさすがに非常に聞き取りやすい。それとpresentationがとても上手で、このclassでの目標や方針などをわかりやすく説明してくれます。久しぶりに、プロの講義という感じを受けました。名前を覚えるのが早いので、それもうれしいですね。自分のことをちゃんと認識してくれているという安心感があります。こんなメンバーで2ヶ月間を共に勉強してきました。
classの内容
僕の取ったクラスの授業内容は、presentationと熟語を中心にしたものでした。毎日約12個の熟語を調べてくることがホームワークとして課されます。もちろん、英英辞典でしらべてこなければなりません。翌日その意味をよりわかりやすい英語で答えさせられるのです。たとえば、こんな感じです。(instructor: OK, next is, 'set up'. Seiji, what do you have?) (Seiji: well, set up is,... 'establish'). 自分の調べてきたのと違ったものだったりすると、他の人がすかさず'what about 'prepare?'などとつっこんできます。こんな感じで毎日授業の最初に熟語の意味を勉強していきます。16人しかいないので、ほとんど毎日当てられます。だからホームワークやってこないとすぐに分かってしまうのです。でもやってこなくても怒られるわけではありません。全てその人に任されているので、ホームワークやってこなくて自分の力が伸びなかったとしたらそれは自分の責任になるわけです。フォローがあるわけではないので、厳しいと言えば厳しいです。お金のことを言ってはいけないかもしれませんが、1回の授業に約10ドル払っているので、10ドル分は取り戻さねばなりません!
presentationは、2週目に、group discussionの結果を一人1分で前に立ってしゃべることから始まります。3週目からは、雑誌などで読んだ記事を元にして5分間のスピーチを行います。6週目から3週間は、一人持ち時間25分のトークを課せられます。このときは、アメリカの各州について、一人が一つの州を担当し、そのレポートを行います。presentationについては、また次回にお話しします。
そして、presentationの他に、pronounciationの訓練も行われます。口の開き方をよく練習しました。そして、カードを使ったspeakingの練習。2人あるいは4人グループになってカードに書かれている問いについて、discussionを行うのです。たとえば、'You cannot pay your bill for apartment in this month. How do you do?' と書いてあるとします。家賃が払えなかったら自分はどうするか、それを各個人が考えてそれを元に話を進めるというわけです。
週の終わりにはweekly reportというのが課されます。その週どんな勉強をしてきたかを書かねばなりません。
というわけで、なかなか時間をとられて大変ではありましたが、話す時間が増え、友達もできて楽しかったことと、ラボ以外で過ごす時間を持つことが出来たのは僕にとってはプラスでした。次回はpresentationについてもう少し詳しくお話ししましょう。ではまた。