ELI class(その2) |
さて、今回はELIのclassについての報告の2回目です。前回classの取り方や雰囲気などをお話ししましたので、今回はclass activityについてもう少し詳しくお話ししましょう。
Short presentation (1min)
僕の取ったクラスのメインのactivityはpresentationでした。他の方にも聞いたのですが、他のclassでもpresentationをさせることが結構多いようです。実際僕のsupervisorも、話す機会を増やすためには、presentationが一番良い、と言います。classが終わった今、今度はラボでpresentationの訓練をさせてもらえるようです。
さて、classの第2週目からpresentationが始まります。どのようなものかと言いますと、毎日1グループ4人ずつに分かれて、プリント1枚に書かれた問題について議論し、グループで結論を出します。その結論をグループの代表が1分間で発表するというものです。これは非常によい訓練でした。問題は例えば、「銀行から大金が盗まれた。容疑者は以下の5人。各容疑者に関して次のことが分かっているが、最も犯人に近い人物は誰か。各グループで議論し答えを発表せよ」という感じです。短時間で文章を読み、それに対する自分の意見を考え、議論し、まとめる、という数多くの要素を訓練することになります。僕は理解するのに必死で、いつも意見を言うのは最後の方になっていました。やはりグループ内で英語の上手な人が話を引っ張り、まとめていきます(うらやましかった!)。毎日この訓練があるので、最終的に全員がpresentationすることになります。これも、論理的に意見を述べないといけないので、1分間といえどなかなか難しいのです。日本ではこのような訓練をしてこなかったので、僕にとってはしんどかったけれど非常に良い訓練になりました。議論を繰り返していくと、クラスメートの個性が色々出て非常に面白かったですね。
Short presentation (5min)
さて、3週目・4週目には、'Something I recently read'という題目で、5分間のpresentationが課されます。新聞、雑誌、インターネット、など何でも良いのですが、とにかく自分が最近読んだ記事の中で面白いと思ったものをみんなの前で5分間で発表します。今回は読んだ記事とその中に出てくる新しい単語をまとめたレジメを作ってみんなに配布しなければなりません。発表の仕方は各自に任されます(何を使っても良い)。こういう準備期間のあるpresentationになると、僕はいままで研究室で何度も経験しているので(こちらでも)、幾分楽に臨むことが出来ました。僕は普段取っている新聞「The Salt Lake Tribune」のOpinion(社説)から、「主婦になりたい」、という女性が軽視されているという内容の記事を選んで話をしました。日本と違い、結婚した女性が働くのは当たり前のアメリカ社会では、主婦としてずっと家にいるというのは、どうやら軽く見られてしまうようです。その社説(女性記者が書いています)では、”母親”と言うのも立派な仕事なのだということを主張していたので、話題として取り上げました。折しも、小学生の子供が同級生を撃ち殺したニュースが全米を震撼させた時期だったので、家族について少し考えたかったと言うこともあります。
まあ、それはともかくとして、OHPを使い、「なぜこの話題を選んだのか」、「この話題のどういうところをクラスメートに伝えたいのか」、「この話題に対する自分の意見はどうか」、「まとめるとどういうことになるのか」、を5分間ぴったりになるよう原稿を作って話をすることが出来、自分としては満足のいく出来でした。この5 min presentationでは、2週間使って全員が発表します。みな自分なりの発表方法を使っていて非常に興味深かったです。レジメにとっても力を入れていた人、発表原稿をレジメにしていた人、時間を気にせずさっさと話を切り上げて質疑応答に力を入れる人、逆に延々しゃべる人・・・。聞くと、人前で発表するという経験のない人が結構いて、初めてのことにとまどっていた人が意外に多かったです。従って、presentationそのものに関しては、さすがにBiology departmentの人たちの方が上手だなと言う印象でした。しかし、みんな精一杯発表していて、僕も何度も質問させてもらい、なかなか良い経験でした。
Long presentation (25min)
さて、6−8週目には、最終試験もかねて、25分間のpresentationを課されます。各自アメリカの州1つを選んで、その州に関するレポートを25分間で発表しなければなりません。この段階になると、学会の口頭発表と近いものがありますね。実験の都合上、僕がたまたま最初の発表だったので、少し緊張しました。僕はConnecticut州を選びました。その理由は、Yale大学に知り合いがいること、行ったことがあること、Meg Ryanのふるさとであること!、です。今回もOHPを使いましたが、後半の発表になると、ほとんどの人がPower Pointを使って発表していました。僕もそのうち慣れなくちゃ。内容としては、「州の歴史」、「一般情報(人口、州都、気温など)」、「大学」、「観光地」、「まとめ」と言う組み立てで行きました。ガイドブックとインターネットを駆使してFigureを作ったので、思ったよりも安くまとめることが出来ましたが、原稿を作る時間がほとんどなく、前日にOHPとにらめっこしながら原稿なしに聴衆に向かって話が出きるよう何度も練習を繰り返しました。ただ淡々としゃべるときっとみんな眠くなるので、そうならないようにネタをあちこちに仕込んでおいて、笑いや驚きを取るようにしましたが、当日は何とかそのねらい通りに行って「してやったり!」と言う感じで少しうれしかったです。自分の順番が終わると後はみんなの発表を聞いて質問を行うのがactivityとなります。みんな苦労して準備していましたが、今回も個性が出て非常に面白かったです。中でもHawaii州を担当したブラジル人のCrisと、Alaska州を担当した韓国人のKyoung-Ahの発表が素晴らしかったです。Crisの発表は、内容がとても良く整理されていて、流れるように話を聞くことが出来、また彼女のHawaiiに対する意見をまとめのところでclearに聞くことが出来てとにかくわかりやすかったこと、Kyoung-Ahの発表は、図が非常に見やすくまたクイズコーナーなどがあって聞いている人を飽きさせないところが非常に良かったです。アメリカに来て、アメリカ人のpresentationの上手さ、質疑応答の完璧さには本当に感心させられていたので、こうした訓練はやはり非常に重要であると思いました。
さて、こうして8週にわたるELIのclassも先々週終わり、仲良くなったクラスメートもそれぞれの目標に向かって勉強を始めています。僕も負けないように頑張っていきたいと思います。こうした仲間から受けた刺激というのが、ELIのクラスを取って一番良かったことだと今では思っています。それではまた。