雑感


 みなさんこんにちは。前回の報告後、しばらく涼しい日々が続いていましたが、この週末になって急に暑くなってきました。そろそろ本格的に夏の到来のようです。さて、今回の報告ですが、最近は実験三昧の日々を過ごしていて「留学生活報告」として載せるようなイベントはあまりなかったので、このところ感じていることや細かいイベントについての報告などを書き連ねてみたいと思います。

multigroup meetingでのtalk
 先週水曜日はmultigroup meetingでのtalkの当番でした。うちのラボでは、Prof. Parkinsonとの合同のprogress reportを、2週間に1回のペースで行っています。従って、お互いのラボが1ヶ月に1回talkを担当します。今回僕は半年ぶりに話すことになりました。恥ずかしい話ですが、テクニカルなことで実験が長い間前へ進まず、非常に苦労していたので、この数週間は休みなしでデータ取りをしていました。従って半年分の報告と言うよりは、ここ1ヶ月の結果の報告という感じです。当日は1時間持ち時間を与えられるので、OHPを15枚ほど準備します。ここで話の組み立てと見せる図を工夫しなければ、英語の下手な僕の話は他の人にとってただの苦痛になってしまいます。従って準備には結構気を使いました(ちょっとだけ笑いを取れるようにもしました)。おかげで久々に睡眠時間を削ってしまいました(日本にいる頃は徹夜は当たり前でしたが、最近はどうも年のせいか緊張感がないのかできなくなってしまいました)。
 で、当日ですが、始まるまではえらく緊張していましたが、始まってしまうと、だんだん緊張も解け、以外にすらすらと話が進められて少しだけほっとしました。でも、質疑応答では昨年に比べてボスのsupportは減ったものの、ときどき僕が考えているとボスが先に答えてしまう事があって非常に恥ずかしかったです。終わった後はみんなでビールバーへ飲みに行きました。うれしいことに、ラボのJonが、「お疲れさん」と言ってどこで買ってきたのかSapporoの黒ラベルをくれました。そのときは涙がでそうでした。

Rotationのgraduate student
 先月末から先週金曜まで約1ヶ月、lab rotationで回ってくる大学院の学生さんを指導していました。彼女はChunyuという名の中国からの留学生で、Cornell大学でPhD courseをとっていたそうなのですが、Uで勉強しているだんなさんとの離ればなれの生活がしんどくて、Uに編入してきたそうです。北京大学の卒業でこの2つの経歴から想像するに、ものすごく優秀な人なのだろうと会う前に思っていましたが、実際その通りでした。僕のやっている実験の一部を手伝ってもらったのですが、てきぱきと上手にこなしてくれました。英語も僕より上手で、コミュニケートはたどたどしかったかもしれませんが、なんとかできました。同じアジア系ということもあり、会ってすぐにうち解けることが出来たので、1ヶ月ちょいの短い期間でしたが楽しく実験をすることが出来ました。彼女曰く、「アメリカの中華料理店より自分の方がおいしく料理できる」のだそうです! Rotationというのは、大学院生になると、最初の1年は授業中心ですが、2年目になると自分の所属ラボを決めるためにいくつかのラボで短期間(1ヶ月半から3ヶ月)実験をすることをいうのだそうです。だいたい4つほどの研究室をまわって、自分の行きたい研究室を決めるとのこと。この制度はなかなか良いですね。日本でも導入すると配属の問題が少しは減るのかもしれません。ただ、受け入れる側は大変ですが。Chunyuがうちのラボに戻ってきてくれるかどうかは、今は分かりません。最終的に決めるのは来年になるのだそうです。

Gina Bachauer piano competition
 昨年このホームページでも紹介したpiano competitionに今年も行って来ました。先週がfinalだったのですが忙しくていけず、今日(土曜日)winner's concertに行って来ました。今年はJuniorのcompetitionで、11歳から13歳までの年齢の子が参加していました。優勝したのはChineseの11歳の女の子で、舞台にスキップしながら入場してくるかわいらしさ(幼さ?)を持つ子でしたが、いざpianoに向かうと、聴衆がどよめくような、息をのむすばらしい演奏をしてくれました。軽やかなタッチ、弱音と強音の見事な使い分け。聴衆を引き込む表現力。何よりもピアノを弾くのが楽しくて仕方がないというのが、彼女の体から伝わってきて、1位になる人というのはやっぱり違うのだなぁ、と、ただただ感激しました。また日本人の13歳の男の子が4位に入賞していて、力強い演奏をしていました。僕のような凡人にはわからない、現代音楽の難しい曲を見事に弾きこなしていて、彼にも感激しました。今年も去年と同じく6人のwinnerが数曲ずつ演奏するのですが、良いものには惜しみなく賛辞を与えるアメリカらしいと言うか、一曲終わるごとに拍手が起こっていました。面白いことに、US出身の演奏者は一局終わるごとに立って挨拶していましたが、日本人や東欧諸国の演奏者は困った顔をしていました(笑)。一曲一曲集中し直さないといけなくて大変だろうなぁと、ちょっとだけ同情。

最後に雑感
 ここでは、最近思っていることを書かせてください。piano competitionを聴きに行ったり、大学で素晴らしいセミナーを聴いたり、学術雑誌に掲載されている大きな仕事を拝読させてもらったりしていると、能力のある人というのは本当にすごい、自分にはとても追いつけないなぁと思います。彼ら彼女らに大きな感動をもらったあとは、決まって落ち込んでしまいます。Uのボスを見ても、本当に能力のある人たちばかりで、とうてい自分にはあの人たちに太刀打ちできないと思うことがしばしばです。だからなのかもしれませんが、今は自分の能力限界まで、頑張らなければいけないと思っています。相手の良いところを出来るだけ吸収したい。そうやって頑張り続けられる自分でありたい、そう思います。

 それでは今回はここまでです。

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