アメリカで活躍する日本人 |
さて、今回はこちらで活躍されている日本人の方のことを少し、そして今の僕の近況をお話ししましょう。
日本の皆さんならもうご存じの通り、Seattle MarinersのSasaki投手がAmerican league Rookieに輝きました。僕の住んでいるUtahではなかなかMarinersの試合を見ることは出来ないのですが、新聞で彼の活躍をいつもチェックしていました。プレーオフにMarinersが出場するようになり、彼の投げる姿をTVで見ることが出来ました。日本ではマウンドに立つ彼は存在感たっぷりで体も大きく見えるのですが、こちらではその彼も体が小さく見えます。Yankeesのスタジアムでの彼はかなり緊張していて、パスボールもあってピンチを招いていましたが、その後の2打者を無事に打ち取り、セーブをあげました。両手を合わせて(日本でいう祈りの格好)チームメイトと挨拶する様子を見ていると、もうすっかりチームになじみ認められているのがわかります。そんな彼の姿を見ていると目頭が熱くなりました。本当に素晴らしいですね。来年はイチロー選手がMarinersで活躍する可能性が高いそうで、楽しみです。異国の地で必死に戦う彼らの姿は、とても励みになります。
次の話は、先日行った日本人pianistのコンサートについてです。大学の中にKingsbury hallというコンサートホールがあり、そこでJazz pianistの松居慶子さんのコンサートがありました。彼女はすでに11枚のCDを発表していて、アメリカのJazz chartでも彼女の曲が1位になったことがあるそうです。Jazzにはなじみのない僕(国府弘子さんのCDを1枚持っている程度)なので、Keikoさんの曲を聴くのはそのコンサートが初めてでした。金曜の夜8時からなので、実験を済ませてからコンサートに行きました(残念ながら一人で)。ホールは7割方埋まっていて、彼女の長年のファンらしき人が、曲の話をしています。会場がおちついた8時20分頃、ようやく彼女がバンドを従えて登場。英語で曲の紹介をしながら、演奏していきます。その堂々とした演奏は本当に素晴らしく、ここでも目頭が熱くなりました。耳になじみやすい曲が多くて、彼女がUSでも高い評価を受けているのがよくわかりました。No.1 Hitとなった'Bridge over the stars'と、人気曲の'Safari'のイントロが始まると会場から拍手と歓声がわき起こり、すごかったです。全曲目を終え、アンコール曲も終えてコンサートが終わると、会場のお客さんが全員総立ちで拍手しました。その後ロビーでCDの販売とサイン会があり、僕も1枚買ってサインしてもらいました。少しだけお話もさせてもらいました。とても感じの良い方で、パワーを分けてもらったような気がしました。ご主人はプロデューサーの日本人で、尺八の演奏者でもあります。コンサートの後半彼も出演されて、トークの時は結構会場から笑いを取っていて、感心しました。今はカリフォルニアと東京に自宅があり半年日本半年アメリカの生活をされているそうです。翌日downtownのCD shopに行って彼女のCDが売られているかどうか調べに行きました。驚いたことに、彼女のコーナーがちゃんとあり、たくさんのCDが並んでいました。僕がこちらで見た日本人artistのCDといえば、喜多郎さん、坂本龍一さん、内田光子さん、Dreams come trueくらいで、いづれも3枚程度しか置いてなかったので、10枚ほど並んでいた松居慶子さんには本当にすごいのだなぁと思いました。
さて、そうした日本人のみなさんの素晴らしい活躍に対し、自分はいったいどうであるか。未だに英語に難があり、実験も思うように進んでいない自分のことを思うと、やはり恥ずかしくなってしまいます。最近周りの知り合いが結婚したり、子供が出来たりして、幸せそうな彼らを見ていると、なんだか自分が非常に情けなくそして妙に寂しく思えてきたりします。最近少し失敗もあり、秋という季節も気持ちに影響しているのかもしれませんけれどね。英語はしかし本当に何とかしなければなりません。せっかくpartyに行っても、話が長続きしないので、あまり僕の所に人が寄ってきてくれません。そこで自分から輪に入らねばならないのですが、盛り上がっている全く知らない人たちの輪の中に入って行くにはとても勇気が要ります。うまくいっても、いつだったかのPartyである女性としばらく話をしていて、自分では結構がんばっていたつもりだったのですが、彼女が横にやってきた友達に「How are you doing?」と聞かれて「I'm boring...」と答えているのを聞いたときや、別のpartyである2人組の女性に話しかけたとき、僕の発音が悪くて「Huh?」と馬鹿にされてしまったとき、にはさすがに落ち込んでしまいました。日本人の男性はアメリカ人女性にもともともてないので、何か魅力がありかつ英語が堪能でないとなかなかこちらでgirl friendを作るのは難しいですね。自分の魅力といわれても、取り柄もない自分はやはりboringと言われても仕方ないのかなと思います。僕の周りには日本人の方でもとても魅力のある人が多いので、さらにへこんでしまったり・・・
こんな調子ではいけないので、この頃は何とか気持ちを奮い立たせています。お金を出してくれている日本学術振興会(ひいては税金を払ってくれている日本の皆さま)の期待にこたえるためにも、もっと必死にならなければいけないと思うこの頃でした。