英語が出ない!


 みなさんこんにちは。SLCはオリンピックまで後1年を切り、新聞でも毎日オリンピックに関する特集が載せられています。天気はこのところ雪が降ったりやんだりであまり安定していません。特に先週は日中に雪が降り続いたために、町中で車の事故が起きていました。僕の車は12月にタイヤを替えたことや、坂道を通らないで済むために、今のところ何事もなく過ごしています。

 さて、今回のお話は、先週金曜日2月16日にあったFRIP seminarについてです。そう、Department of Biologyの各研究室が担当するprogress reportが1年ぶりにBlair labに回ってきて、僕と大学院生のPerryが話すことになりました。今回は先月の学会でまとめた話をすれば良かったので、figureも学会の時に作ったものを少し修正してPowerPointの書類にしたものを使いました。初めてのPowerPointでのpresentationでしたが、figureさえ作ってしまえばかなりやりやすいです。talk用の原稿も早めに作り上げて、今回は昨年よりも練習量を増やしたこともあり、話し方やfigureを示しながらの説明、イントネーションやジェスチャーなど、昨年よりpresentationそのものはまあましだったと思うのですが、discussionの時間になったとき、それは起こりました。

 題名にあるように、英語が出てこないのです。質問は4つほど受けました。そして相手の言っていることもわかりました。答えも頭の中にちゃんとあります。ところが、、、英語が出てこない。おそれていたことが起きてしまいました。こちらでの質疑応答では、もっとも模範的なやり方が、まず出された質問の内容を聴衆に対しわかりやすいように自分なりにかみ砕いて説明します。そのあと、YesかNoで答えられる内容ならば、まず結論をYes or Noで答えて、その後に説明を加えます。僕は相手の質問内容を復唱はしなかったものの、Yes or Noで答えるところまでは出来たように思うのですが、次の補足説明で訳の分からない英語を話してしまい、そこから頭がパニックになってしまいました。せっかく質問を出してくれた人に困った顔をさせてしまい、まったくI'm so embarrassed... なんとか最初の答えを繰り返して、その場を切り抜けました。でも、聞きに来てくれたdepartmentのmember, faculty, post-doc, graduate...みんなあ〜あと思っていたに違いないですね・・・ 幸いなことにbossのDavidは学会のため水曜から出かけていてseminarにはいなかったので、彼の前で恥をかかずに済みました。

 しかし、この英語が出てこないと言う現象は実は1週間ほど前からその症状が出ていました。Davidが、Seiji, do you wanna talk at FRIP? と聞いてきたのが2週間前の月曜。僕はその頃メキシコでの学会で以外に英語が出来たことに気をよくしていて、ここでもう一歩自分を試したい気分になっていましたので、of course!と即答。ところがその週末頃から、undergraduateのChristinaを教えているとき、言葉が出てこない自分に気づきました。相手の言うことはわかるのに、言いたいことも頭の中にちゃんとあるのに、言葉が出てこないのです。急に頭の中が真っ白になってしまうのです。正直そのころから少し焦っていて、できるだけ話したりTVを見て耳を慣らすことに専念していたのですが、やはり間に合いませんでした。この文章を書いている日曜も、お店で店員さんに質問したとき、相手に分かってもらえなくてまたまたへこんでしまいました。これはいったい何なんでしょうね。英語の先生のValerieは、いつも英語で物を考えるようにしなさい、と教えてくれたので、この頃はできるだけそのようにしているのですが、なんだか思考能力そのものが退化しているような、そんな感じなのです。英語教室のクラスメイトのHungary出身のAndreaにそのことを話すと、それはバイオリズムで今悪いところに来ているだけだよ、というのですが、そうなのでしょうかねぇ。こんな気持ちはこちらへ来て初めてです。なんだか言葉が出てこない物だから、話をするにも少しおっくうになってしまうし、いけないなぁと思っています。

 ま、何とかするしかないので、この話はまた次回にでも経過を報告します。
恥ずかしい話ばかりでは読んでいただいている方にも悪いので、少し他のことも報告しましょう。

 そのseminarのあった金曜の夜、気持ちを入れ替える目的もあって、University of Utahの女子体操チームの試合をHuntsman centerまで見に行きました。Huntsman centerというのは、キャンパスの中にあるドーム型の大きな体育館です。Uの女子体操チームはかなり強くて、今シーズンは全米で今第3位なのだそうです。アトランタ五輪の候補だった選手もいるそうです。金曜日はstaff dayだったので、僕のような大学で働いているstaffは無料で観戦できました。Huntsman centerに入ると、まず入り口でパンフレットをもらえます。選手名と種目が書かれています。そして中にはいるとグラウンドに鉄棒、平行棒、あん馬、ゆか、の4つの種目の準備がしてありました。ロビーではホットドックやチップスが売られていて、なんだか日本で言うと野球の観戦に来ているような感じです。ブラスバンドがにぎやかに応援のマーチを演奏していて、これがとても楽しいです。友人たちとグラウンドから8段ほど上の席に座ると、会場の係りの人が僕らに応援用のボードをくれました。そのボードはB5ほどの大きさで、表に10.00、裏にRockと書いてありました。これは何だろうねぇと話していると、周りがえらくにぎやかになったので見回すと、体育館内に飛行船の形をした風船が上がっていて、なにやら封筒を落としていきます。それをみんな争って取っているのです。一緒に行ったValerieの話に寄れば、その中身はイベントのフリーのチケットやgift certificateだったりするのだそうです。残念ながら僕らはそれを手に入れることは出来ませんでした。さて、時間が迫ってきたのか、体育館の天井からつり下げられたモニターに、Uの体操チームのTV CMが流れ始めました。少しすると、画面が、RED!, ROCK! と交互に表示し始めました。そして周りもそれに合わせて、手元のボードを掲げながらRED!、ROCK!とシャウトしています。な〜るほど、こういうことだったのか、と僕らもROCK!とシャウトして盛り上がりました。さて、それが終わると、DJの女性がアナウンスを始めて、いよいよ試合の開始です。紹介に乗ってまず今日の相手チームであるArizona state universityの選手が一人づつ入場してきます。そのあと、会場のライトを落として、今度はhomeのUの選手の入場です。ものすごい歓声でした! 全員が入場を終えると、会場全員起立して、アメリカの国歌を歌います。その日のリードボーカルは僕の知らない女性で、学生さんなのか歌手の卵なのか、分かりませんでしたが、きれいな歌声でした。

 試合はArizonaがまず鉄棒、Uがあん馬、で始まりました。最初に練習のために3分半の時間が与えられて、軽い試技が行われ、そのあと、DJのintroductionにしたがって、選手が一人ずつ交互に演技をしていきます。そして、両方が一つの種目を終えると、次の種目にローテーションしていくという仕組みです。やはり、「ゆか」が花形なので、homeのUが最後にゆかになるように試合が組まれていました。試合内容はこの日はArizonaをUが圧倒した形になりました。Arizonaは全米11位らしいですが、今日はあまり演技に切れが無く、鉄棒や平行棒から落ちてしまったりすることもありました。そういうとき、観客はみんなあたたかく拍手でその選手を迎えるのが興味深いところでした。UにはseniorのTheresa Wolfという選手がいて、その選手の時だけは観客が歓声をあげないで吠えていました(Wolfだから)。つまり、他の選手の時はみんなキャ〜とかワァ〜という歓声が上がるのですが、彼女の時は低い声でウォ〜となるわけです。最初、見方なのに何でブーイングが起こっているのかと思いました・・・さて、どの選手も素晴らしかったのですが、その中でもとくにその日の演技で光っていたのはTheresa Kulikowski選手でした。彼女は平行棒と鉄棒に出場して2種目でトップの成績でした。体の切れ、バランスの良さ、着地の美しさ、どれをとっても他の選手よりも美しく、僕は惚れてしまいました(ポッ)。彼女結構可愛いんですよ。ま、それはおいといて、全種目が終わると、体育館の中央に全員が並んで、その日もっとも高い得点を上げた選手(4種目全部に出場して平均得点の最も高かったDeidra Graham選手)が表彰されました。そして対抗戦の勝利はUが勝ち取ったことを高らかに宣言して試合終了。無事に誰もけがをすることなく終わりました。

 初めての大学スポーツの観戦でしたがなかなか楽しかったです。日本の大学対抗戦とはまた違いますね。体操というと、なんだか男が観戦に行くとエッチじゃないかと思われるかもしれませんが、そんな不届きな連中は全くいなくて、みんな素晴らしい演技をこころから楽しんでいました。また見に行きたいと思いました。

ではまた。

留学生活報告のページへ戻る

メインページへ戻る