映画の話


 みなさんこんにちは。SLCは暖かく、この週末はスピードスケートの距離別選手権があり、僕も友人と日曜日の試合を見に行きました。その模様はまた近い内にお話ししましょう。

 さて今回は少し趣向を変えて、オスカーの発表も間近に迫ってきたので、僕の趣味でもある映画の話をしましょう。
僕は日本にいるときから大の映画好き(特に日本映画)で、良く映画館に見に行きましたし、「キネマ旬報」は僕の愛読雑誌の一つでした。松竹がシネマ・ジャパネスクという企画で低予算ながら質の高い映画を作っていた頃は、本当に良く見に行っていました(ただし映画館に僕だけ、ということもありましたけど)。なぜ映画が好きかというと、あのゆったりした雰囲気とその時間だけは現実から離れられる所がいいのです。なかなか良い映画に巡り会うことはないのですが、すてきな作品に出会ったときは、幸せな気分に暫く浸ることが出来ます。日本だと映画は高い娯楽ですが、こちらでは非常に安く見ることが出来ます。夕方前までの回ならば、たいてい4.25$で、夜の回は6$から7$です。古い映画ならば、dollar movieという1$で見ることの出来る映画館もあります。こちらでは’パンフレット’は売られておらず、映画館の多くは日本で言う「シネコン」で、一つの映画館で5つから多いところで16の映画を上映しています。売店ではポップコーンやお菓子、ソフトドリンクが売られています。ポップコーンはChild sizeを選んだとしてもものすごい量です。とても映画を見ている間に食べ切れません。残念なのはこれらrefreshが高い! ポップコーンとソフトドリンクで4$ほどしてしまいます。最初の頃は良く買っていましたが、この頃は買わなくなりました。また、SLCには900S 900EにTower theatreというちょっとアート系の映画を上映する所があります。外国の作品やマニアックな作品が上映されていて、ここも僕は良く行きます。それではここで、僕がこれまでに見てきた映画をリストアップしてみましょう。*マークのある物は僕の気に入った作品です。

The star wars: Episode I
Eyes wide shut
The six sense
*The green mile
The talented Mr. Ripley
*Scream 3
*Boys don't cry
American beauty
Erin Brockovich
*アドレナリン・ドライブ(日本映画)
U-571
*Not one less
*菊次郎の夏(日本映画)
Princess mononoke
Scary movie
Chicken run
Mission: impossible 2
X-men
*What lies beneath
Hollow man
The perfect storm
*Almost famous
Girlfight
*Dancer in the dark
Blair witch project 2
Proof of life
Vertical limit
*Cast away
You can count on me
*Traffic
*Thirteen days
*Crouching tiger, hidden dragon
*Chocolat
Valentine
Hannibal
Sweet November
Get over it
*Bring it on

書き漏らした作品があるかもしれませんが、こうしてざっと書いてみるとこの2年間で結構見に行ってますね。最初に見に行ったのがstar warsで、ラボのみんなとCentury16というスクリーンが16ある映画館へ見に行きました。ボスのDavidがばりばりポップコーンを食べていたこと、Star warsのマニアのJonがこれで5回目とかいいながら、いろんなシーンで大笑いしていたこと、などが記憶に残っています。始めて一人で見に行ったEys wide shutのときは、R指定だったので、IDがいるかと思って切符を買うときにパスポートを準備していったのですが何も言われなくてほっとしたことを覚えています。The six senseのときは、今は無くなってしまったCrossroad cinemaでぼろいイスに座って、途中から全然映画の筋についていけなくなってしまい、なぜみんながラストシーンで息をのんでいたのかさっぱり分からなかったですねぇ。などなど、一つ一つの映画に思い出があって、そのことを思い出すだけでも楽しいものです。Oscarの主演女優賞に輝いたBoys don't cryでは、ラストシーンで思わず涙が出てきました。今年のoscar作品賞候補のErin Brockovichでは、終わった後会場で拍手が沸きました。シングルマザーの普通の女性が、大きな事件を自分の手で解決していくそのカッコ良さが受けたんでしょうね。石田ひかり主演のアドレナリン・ドライブをこちらの映画館で見たときは、全編日本語なのに、なぜか英語の字幕を一生懸命見ている自分がいて面白かったです。アメリカ人の観客が、字幕を見てから笑うのが、何とも不思議でした。

さて、今年のoscarはGladiator, Chocolat, Crouching tiger hidden dragon, traffic, Erin Brockovichが作品賞にノミネートしています。今年はたくさん映画を見に行ったので、作品賞だけでなく、主演男優・女優賞候補や助演男優・女優賞候補の人も半分以上を映画館で見ていました。こうなってくると、本当にoscarが楽しみですね。ところで、先日実家から「キネマ旬報」の昨年度総括号を送ってもらいました。この号では、2000年度の日本で公開された日本映画・外国映画のベストテンが発表されるのですが、こっちの評価と結構違っていて非常に興味深かったです。キネ旬の外国映画1位がSpace cowboyで、中国映画のNot one lessが3位に入っていました。American beautyが6位、Gladiatorが8位、Dancer in the darkが9位。こちらで今人気大爆発のCrouching tiger(邦題はgreen destinyだそうです)は批評家によるベストテンだけでなく読者によるベストテンでも圏外になっていました。このCrouching tigerは良くできた作品で、僕も先月見たのですが、全編中国語なので字幕がついています。にもかかわらず、映画館はほぼ満員。これはかなりすごいことなのだそうです。Timの話では、アメリカ人は字幕を見ながら映画を見ると言うことに慣れていないので、頭が痛くなってしまうのだそうです。でも、その字幕、とってもうまく書かれていて、僕が普段家のテレビの字幕を見るのよりずっとラクです(短いしわかりやすい)。この映画の良いところは、何よりもそのアクションの美しさ(これは本当にすごいとしか言いようがない)、そして中国の大自然の雄大さとそれにマッチした音楽(こちらでも有名なヨーヨー・マが担当)、ストーリーのわかりやすさにあるのではないでしょうか。見た人全てが、What a beautiful movie! というのでもわかるように、とにかく美しくそして迫力がある! oscarの最有力候補はおそらくGladiatorでしょうが、僕は密かにCrouching tigerかなと思っています(外国映画賞かもしれませんが)。Gladiatorは僕は見に行っていないのでよく分かりませんが、とにかくセットがすごく良くできていて、アクションも退屈させないのだそうです。Erin Brockovichは、ストーリーは痛快なのですが、どうも僕にとってはぴんときませんでしたね。よく言われていることですが、いやに強調されていたジュリア・ロバーツの胸の谷間が気になってしかなかったです(ごめんなさい!)。それにくらべると、Chocolatはスケールは小さいのですがとてもハートフルで、映画館から出てくるときには心の中が暖かくなりました。Trafficは麻薬取引を巡る警察とマフィアの闘いを非常にリアルに描いた作品で、そのドキュメンタリータッチの撮り方が今にも自分の周りに同じ話が降りかかってきそうな気持ちにさせました。どのoscar候補作もすてきなものばかりです。

さて、僕にとって「面白かった」映画というのは、2通りあります。1つは、話の内容に非常に感動できたもの。もう一つは、ストーリーはいまいちでも、その作り方や俳優さんの見せ方に感動できたもの(とくにヒロイン役の女優さんが生き生きとしているものが好きです)。The green mile、Boys don't cry, Not one less, Almost famous, Dancer in the dark, traffic, thirteen days, chocolatが、1つめに相当します。この中でとくに心に残ったのは、Boys don't cryやDancer in the darkの残酷なラストシーン、thirteen daysの緊迫した中でぎりぎりの交渉を続ける主人公たちの強さ、ですね。特にThirteen daysが僕は好きで、全力で戦争を避けようと、軍や議会と闘いながら(あるいは協力しながら)決断していくケネディとその周りの人々のリーダーシップには、強いあこがれを感じました。
2つ目の範疇にはいるのは、アドレナリン・ドライブ、菊次郎の夏、What lies beneath、scream 3, Cast away, Crouching tiger, Bring it onですね。僕はこの年ではずかしいのですが、映画のヒロイン(あるいはヒーロー)に惚れる事が未だにあります。何の予備知識もなく見に行ったscream 3(B級映画だと思っていた)で、Neve Campbellの魅力にすっかりとりつかれてしまいましたし(おかげで TVのParty of fiveを毎週見ていた)、What lies beneathでは、Michelle Pfeifferの美しさ(今僕のなかではナンバーワン女優!)に虜になってしまいました。Cast awayでは、Tom Hanksの謙虚な演技がとても共感を得ましたし(でも後半はちょっといただけなかった)、Crouching tigerでは、新人女優さんがものすごい美人の上に、マーシャルアーツがとても上手で驚きました。最近ではBring it onで見た、Kirstin Dunstがとても可愛かったです。この映画は良くある高校青春物(自分たちのチアリーディングの演技が実は他校のアイデアを盗んでいたことが分かり、オリジナルの演技を作るべく悪戦苦闘する)なので、大したことないだろうなぁとあまり期待しないで見に行ったところ、ヒロインを演じるKirsrin Dunst(第一印象は決して可愛くなかった)が映画が進むに連れてどんどん魅力的に見えて来るんです(まあ、声フェチである私の琴線に触れたことは白状しておきましょう)。見終わった後、本当になんだかさわやかな気分になりました。以上の作品は邦題がどうなるのか分かりませんが、僕的にはおすすめです。

最近知り合いのlove lifeがみんなうまく行っているので、ちょっと寂しい僕はどうしても映画やTVの魅力ある女性に心を奪われがちです。ま、そのうち僕にもチャンスがやってくることを祈って今回はここまでにします。

留学生活報告のページへ戻る

メインページへ戻る