graduate recruitとspeed skate観戦


 みなさんこんにちは。今回は忘れない内に早めに更新しておきます。

 すっかり忘れていましたが、日本では今ちょうど国公立の大学の合格発表の時期なのですね。こちらの友人に指摘してもらって、あ、そうだったと思い出しました。一方アメリカでは、現役の学生さんはspring breakで、先週の忙しい試験週間を終えて、今はゆっくりしているところです。そして、ちょうど今の時期に、新学期からgraduate studentになることを希望している学生さんたちが、University of Utahを見学にやってくるのです。

日本と違う大学院
 UのBio理学系の大学院は4つのコースがあるそうで、学科が設けているコース(Biology, Biochemistry)と、interdepartmentのコース(molecular biology, biological chemistry)があります。うちのラボの大学院生のPerryは、このうちBiological chemistryのprogramを取っています。たいがい、大学院を希望する学生さんは、複数の大学にアプライするようで、昨年うちのラボにいたDougは5つほど受けていました。Perryは3つ受けたそうです。面白いのは、大学院受験生のための、recruitというのがあって、まるで日本の会社の入社説明会のような感じなのです。それもそのはず、こちらの大学院生は日本と違って、大学側が給料を出してくれます。学費は払う必要がありません。聞くとあまり給料は高くないようですが、大学にいることによるbenefitを受けることが出来ます。それは保険のことであったり、UTA busがただであったり、Uで行われる体育会の試合(footballやbasketball, gymnasticなど)は無料であったりします。ただ、大学の外でpart-time jobをする事は許されていないそうです。大学院の学生さんは、入学後最初の一年はclassがたくさんあり、それをこなしながら5つの研究室を1ヶ月半づつrotationして、自分の希望所属研究室を決めることになっています。また、TA(teaching assistant)として、undergraduateのために、classの復習をしたり、feedbackのためにときには講義をしないければならないようで、これが結構大変です。日本の大学院を卒業した僕の場合、TAと言う制度はありましたが、それは短期間でしかも学生実習の手伝いでしたので、それほど大変ではありませんでした(教えるのが好きだったこともありますが)。しかし、こちらのTAは本当に大変そうです。特に外国から来た学生さんにとっては、鬼門のようです。TAできちんと教えられるように、ESLへ行って英語のspeakingを勉強しなければなりませんし、日本とこちらの大学の授業というのは結構様子が違うので、とまどうことも多いのだそうです。たとえば、授業中の出入りは全く自由だし(授業が始まっていても何も言わずに勝手に入ってこれるし、出ていける)、日本では失礼な行為である、授業中の飲食や足を机の上にボーンと乗せて聞いているのも全くお構いなし。そんな中にいきなり入っていって、自分が講義をしなければならないとなると、(最初)馬鹿にされているような気がしてしまうのは仕方ないことなのでしょう。ま、そのようなこともありますが、このTA制度のためにこちらの大学院生はものすごく勉強しています。

 さて、recruitに話を戻しましょう。先週、Goldenberg labのEmilyが、perspective student(graduateのcandidate)と一緒にlunchにいくので、一緒に来てくれないか、と誘ってくれました。Emilyにはいつも優しくしてもらっているので、二つ返事でOK. 月曜のお昼に彼女の連れてきた韓国人のgraduate candidateの男性と3人でBroilerという大学の近所のレストランへ行きました。サンドイッチを食べながら、彼がどんなことに興味を持っているのか、これからどんな生活を希望しているのかなど、色々話を聞きました。Emilyは、僕がアジア人なので、彼がcomfortableなように、僕を誘ってくれたようです。彼は既に結婚しているとのことなので、奥さんと一緒なら入居可能なuniversity villageのことなども説明しました。僕の親友のMomoもvillageに住んでいるので、一度行ったことがあるのですが、まあまあの広さです。家賃もかなりやすいらしく、大学からもそんなに遠くないので、これはおすすめです。こうして、いろいろ彼からの質問を受けたり(僕がラボでどんなことをしているかなど)、Emilyがprogramの説明をしたりして、あっという間にlunchは終わりました。おいしいことに、これはrecruitの一環なので、lunch代は大学が持ってくれてただなのです!
さて、先週金曜日の夜には、今度はmolecular biologyのrecruiting dinnerというのに参加させてもらいました。Davidが、Seiji, 他のdepartmentの人たちと話ができる機会だから、この前のBLASTのposter持っていって、dinnerに参加してみたら? というので、早速行ってきました。このdinnerでは、molecular biology programにアプライしているperspective studentの人たちが集まり、大学側からは大学院生が来て自分たちの仕事をposterで紹介するのです。僕は最初、こちらで教育を受けていないので、それでも構わないのかどうか少し不安でしたが、DavidはI never thought that!と言ってくれたので、気にせず行ってきました。memorial houseという、capital hillの麓にあるパーティ会場でdinnerは行われ、多くのUのgraduateの人たちと、彼らに連れてこられたperspective students、faculty memberなどがごった返していて、なかなか面白かったです。graduateのpartyで知り合ったAlbertたちも来ていたので、彼らにも自分の仕事を紹介できたし、UC Davisからここを受けに来ている学生さんとも、色々話をすることが出来ました。会場は非常にリラックスしていて、perspective studentsはspecialな名札をつけ、僕らは普通の自分の手で書いた名札をつけているので、お互いが何者なのかすぐ分かる仕組みになっています。そして、facultyの先生方もどんどん積極的に学生さんと話をして、彼らの希望を聞いたり質問に答えていました。一緒に行ったPerryの話では、このdinnerで色んな先生と会い、またgraduateの人と話が出来てためになったのだそうです。こうした機会はどこのgraduate schoolでも行われているようで、こういう場でfacultyの様子や雰囲気をチェックして、大学院を選ぶ材料にもしているようです。というわけで、なかなか面白い体験が出来ました。dinnerは6時に始まり、9時に終わりました。

speed skate観戦
 さて、日本の皆さんも大興奮していると思いますが、こちらSLCではspeed skate距離別選手権が行われていて、昨日3/10土曜日には、清水宏保選手が500mで世界新記録で優勝しました!!! 日本のインターネットサイトではどこも大きく取り上げているのに、悔しいことにこちらのTV mediaは全く取り上げてくれなくって残念でした。でも、Salt Lake Tribuneではちゃんと彼のことをしっかりレポートしてくれていました。500m3位に入ったUSの選手は、清水選手がDan Jansenの記録を抜いたのは彼が18歳の時で、その頃から彼の活躍は永遠のもののように思えたそうです。あまりにもすごいので、速く引退して欲しい、とさえ思っていた、などと冗談を言ってました。とにかく清水選手は完璧な勝ち方で、すごいとしか言いようがないですね。見に行った友人も非常に興奮していたそうです。僕は残念ながら土曜のチケットは取れなかったので、今日日曜日に出かけてきました。
 今日は男子1000m, 女子1500m, 男子10.000mの3種目がありました。家から試合のあるOlympic oval(5662S 4800W Kearns, UT)までは車で30分ほどで行けます。Olympic ovalは今年出来たばかりで、世界最速リンクといううたい文句で売り出しています。真新しい建物の中は巨大なリンクとその周りを囲むテレビクルー用の設備、そして観客用のベンチがありました。ベンチ裏には即席で作られた仮設トイレや売店(オリンピックグッズやちょっとした食べ物を売っている)がありました。記者会見用の部屋もありました。僕と日本人の友人はゴールより手前のベンチに座って観戦しました。今回もSki jumpの時と同じく、たくさんのボランティアの人が来ていて、運営を手伝っていました。その方々に道案内をされながら、ベンチに座ると、周りもあっという間に埋まっていきました。驚いたのは、僕らの周りはほとんどがだいだい色の服でそろえたオランダ人の応援団だったのです。speed skateの本場オランダからわざわざ駆けつけてきたのか、Utahに住むオランダ系の移民の人たちが来ているのか、その辺ははっきりしませんでしたが、オランダ語を話している人がほとんどでした。その人たちが本当に盛り上げてくれて、とっても楽しかったです。1000m男子では、この日清水選手を含む3選手が出場しました。残念ながら上位入賞はなりませんでしたが、日本人の応援もあり盛り上がりました。その盛り上がりが最高潮になったのは、最終組でWotherspoon選手が出てきたときです。彼は昨日の500mで清水選手に敗れて銀でしたが、こちらでは堂々の世界新記録での優勝。周りのオランダ人応援団も地響きがなるような大声援でした。
続いて女子1500mが行われました。こちらも日本人3人が出場、中でも田畑真紀選手が2位という素晴らしい成績でした。とてもスピーディで、体格を生かした力強い走りを見せる欧米の選手を越えての表彰台、本当に頭が下がりました。この競技の後、リンクの整地のため30分ほどの休憩があり、その間に先に行われた競技の表彰式がありました。シドニーオリンピックの表彰式中継でさんざんアメリカ国歌を聴いてきたので、今日はカナダとドイツの国歌が聴けて新鮮でした。そうそう、この休憩時間中に、様々なアトラクションがありました。オランダ系の方々によるブラスバンド、スコットランドの方々によるバグパイプ演奏、そして、プロバスケットボールUtah Jazzのチアリーディングチームの女性が、素晴らしい踊りを見せてくれました。ちょっと「トホホ」だったのが、着ぐるみを使ってSUMOのアトラクションもあったことですね。でも、SUMOは大人気! 会場から大歓声です。SUMO! SUMO! と大合唱の中、力士のぬいぐるみに入った男性が一番取った後、Jazz girlから2人選ばれてその娘たちが入って一番取っていました。会場はやんやの大騒ぎ。
さて、最後は10000m男子。これは時間がかかるので、気の短い?アメリカ人の観客は結構帰ってしまいました。僕らや周りのオランダ人たちは、これからが本番とばかり、また盛り上がりました。そう、オランダは長距離が強いんですよ。一周回るごとに足踏みでcheer upしたり、拍手したり。僕らは白幡選手の応援のために、リンクの側まで行って応援しました。結果はオランダの圧勝。白幡選手も頑張りました。すべての競技が終わって、10000mの表彰式が終わると、オランダの応援団が選手たちに再度声援を送り、写真をとったりしていました。この日すっかりミーハーになってしまった僕は、昨日でレースを終えた岡崎朋美選手にサインをもらい、更に三宮恵利子選手にはサインしてもらった上にツーショットの写真まで撮ってもらいました。田畑選手はちょっと奥の方にいたので、さすがに声をかけられませんでした。岡崎選手はファンサービスに慣れているのか、とてもきさくに話してくれました。「こちらで働いているんですよ」、というと、「今日はお休みなんですか?」と聞いてくれてなんだか思ったより普通に会話できました。三宮選手はおとなしい感じの方で、写真やサインには快く応じてくださったのですが、こちらも緊張していたせいもあって、なんだか僕が分けわかんないことを一人で言って終わってしまいました。両選手、お疲れの所、本当にありがとうございました。やっぱり、スポーツで輝いている方というのは本当にすてきですね。海外で結果を出せるみなさんには、本当に元気をもらいました。もう2度とこんな体験は出来ないでしょうけれど、これからスケートの選手の皆さんも心から応援していきたいなと思いました。

では今回はここまでです。

留学生活報告のページへ戻る

メインページへ戻る