Backpacking |
さて、この夏の間はいろいろありまして、先月は1度も更新しませんでした。今回はその中でも最も印象深かったbackpackingについて、少しお話しましょう。
父と旅行に行って帰ってきて、普段のラボワークに戻った月曜日に、Momoから電話がかかってきて、今度の週末にLone PeakにBack packingにいくけどどうする?というわけです。その週末は何も予定していなかったので、早速行くことに決めました。Back packingというのは、要するにcampingのことで、食料や調理用の道具、テント、寝袋などを大きなbackpackに詰め込んで、山に登ります。僕はtentなど道具一式を持っていないので、大学のOutdoor Recreation facility (ORF)に一式を借りに行きました。当日一緒に行くメンバーは、Momo夫妻、インドからの留学生でMomoと同じ研究室のSujiet、彼の友人のAmitと僕の5人です。Sujiet, Amitと僕でtentをshareすることにしました。金曜の午後に3人で顔をあわせて(この時が初顔合わせです)、ORFへ一緒に行き、tent、寝袋、マット、コンロと調理用具一式(コンロはガスの缶を利用したもの)、water purifierを借りました。3人分全部で60ドル程でした。どんな人と一緒に行くのか、かなり不安でしたが、SujietもAmitもとても気さくな良い連中だったので安心しました。さて、食料ですが、Momoのすすめで、REIというoutdoorの専門店に一緒に行き、freeze-dryのpackageを数種類買いました。これは非常に便利で、お湯をこのpackageに注ぐだけで、様々な御飯が7分程で出来上がります。僕はパスタ、酢豚などを買いました(4食分で18ドル)。担ぐ量をできるだけ少なくするため、水は2リットルにとどめ、無くなったらwater purifierで川の水をfilterにかけて精製して使うことにしました(これがとっても役にたちました)。Momoは固形ヨードを持ってきていて、それで川の水を消毒して飲むことにしていた(昨年のZIONのときみたいに)ようですが、結局僕らのwater purifierを使ってました。他に持っていったものは、trail mixやチョコレートなどのエネルギー源(後でその重要性に気づかされます)、夜のためのサーチライト、虫よけのスプレー、カメラ、寒さを予想してウインドブレーカー、と言った程度でしょう。
さて、土曜日の朝6時15分に大学に集合して、Momoのリードでtrailの入り口まで30分程ドライブしました。trail headはAltaへ行く途中のWasatch BLVD.から少し入ったところにあり、10台程停められる駐車場があって、そこに駐車しました。さて、前の晩にチェックしておいたのですが、いざ荷物を背負ってみると、物凄く重い! 背負うだけで汗が出てくるんです。大丈夫だろうかとやや心配でしたが、とにかく腰に負担がかからないように背中をぴったり荷物にくっつけて重心を腰のやや上に持って行きました。後で分かったことですが、重いものを上に持ってくると重心が上に来てしまい、歩くとふらふらしてしまいます。
SujietやAmitも僕と同じでbackpackingは今回が初めてなので、おっかなびっくり荷物を背負っています。そして朝7時にtrail headをスタート。まだ外は暗く、気温もあまり高くないので気持ちよい中でのスタートでした。しかし、ものの15分程坂を登ったところで、荷物の重さに息は切れ、汗はどっと出て、運動不足のせいであやうく目が回りそうになる始末。僕の顔が青いので、Momoが荷物を見てくれて、「これは重すぎる」(僕はtentを背負っていたので)ということになり、matだけAmitが持ってくれることになりました。それでかなり楽になり、また道もしばらく平らなので、息も整いました。どうも朝早くの激しい運動に体が慣れていなかったようです。しだいに元気が出てきて話ができるほどの余裕も出てきました。僕らは15分歩いては休憩し、というペースでゆっくりゆっくり登って行きました。そして11時過ぎにようやくお昼御飯の食べられるちょっと開けたところに到着。ここまでは大して難しい道ではなくただ上り坂がしんどいだけでした。Momoいわく、ここからが一番しんどいとのこと。高鳴る不安をむねに、とにかく休息を取ることに専念。昼食をコンロで湧かしたお湯で作ってエネルギーを補給し、その後は1時間程水を補給したり寝転んだり。午後1時に再出発。Momoの言うことはそのとおりで、ここからは道がexponentialに険しくなり、荷物の重さも加わってかなり恐かったです。みんなで協力しながら、一歩づつ険しい岩の上を登り、木を掴みながらやっとのことで登りきり、午後4時にキャンプ場に到着。着いた時にはエネルギーのかけらも残っていませんでした。果てた、という感じです(バレー部の夏合宿の練習後のストレッチの時のようです)。湖のそばにキャンプ場があるのですが、蚊が物凄くたくさんいるので、さらに一段高い岩の上まで頑張って登り、そこにテントを張ることに。5時過ぎにようやく全て終わり、疲れ果てたのでマットの上にごろんと横になってぼけっとしていました。6時頃になり、日が弱くなってきたので岩の上に座って周りの景色をやっと楽しむことができました。苦労して登ってきただけのことはあり、すばらしい眺めで遠くSLCを眺めることができました。そして目の前には明日朝に到達予定のLone Peakが。しかしかなり険しいです。はたして登れるのだろうか。かなり不安でしたがとりあえず夕食を済ませ、熊よけにゴミをちょっと離れた木の上に吊るして、10時頃に寝ました。しかし、物凄く疲れていたせいか、体に熱が残っていてなかなか寝つけません。結局12時頃までごろごろしていたようです。
さて翌朝6時に起床し、1時間で朝御飯を済ませ、テントをそのままにしておき、軽い格好で(水だけ持って)Lone Peakへ。9時ごろに、Lone Peakの峰の手前まで来ました。ここまでは大して険しいところもなく、お花畑などもあって僕らも非常に気持ちよく、ジョークを飛ばしながら来たわけですが、ここからLone peakの一つ前のpeakをこえてさらにLone peakそのものまでいくのはかなりの労力が必要だと言うことをここで気づかされます。とにかく険しい。しかも岩が非常にぜい弱で足場になりにくそうなのです。そこで、直接岩場を行くのを止めて、Peakの裏側を回って行くことにしました。ところが、ある程いったところで、かなり険しい岩場に出会ってしまいました。経験豊かなMomoがどんどん前を開拓してくれたので、気持ちの上では安心なのですが、気づけば(もしひとりだったら)前に行くことも引き返すことも恐くてできないような所に来ていて、半泣きの状態に。僕はまだ何も背負っていなかったのでよかったですが、Amitはそのときbackpackを背負っていたので、恐怖感と戦っていました。Momoの奥さんのGraceをちょっとだけ助けながら、やっとの思いで岩場を抜けて登り切ったのが11時過ぎでしたが、SujietをAmitは完全にstuckしてしまいました。それでも頂上からMomoや僕らが指示をだし、彼等も背負っていた水を捨てて荷物を軽くしたりして、ようやく登りきりました。それが12時過ぎです。そのあと、みんなでLone Peakを目指し、少し楽になった道?を行きましたが、1時頃になり、目の前に断崖絶壁が現われてついに道を閉ざされてしまいました。どうやらwrong wayを来てしまったようです。僕らも疲れてきたので、帰りのことも考えて、引き返すことに。先ほどの岩場を行くわけには行かないので、別の緩やかな道を選んで、そちらを通って帰路に向かいました。3時頃になり、朝にみんなで写真をとったところに戻ってきたのですが、この時僕はどう言うわけかかなり弱ってしまっていて、Amitがもっていたenergy barをもらってエネルギーを補給することにしました。僕だけ本当に息がきれてしまい、みんなと同じペースで歩けないのです。でもbarを食べてからはやっと元気が出て、やっとの思いで3時45分ごろにキャンプ場に戻ってきました。へとへとで吐きそうになりながらも、とにかくエネルギー補給のために食事を全員取り、テントを片付けて、帰り支度を済ませて、出発したのが4時50分。暗くなる前にparking lotまで戻らねばなりません。行きに休憩を含めて9時間かかった道のりを、4時間程でもどれるのか?、途中にあったあの険しい岩場をさくっといけるのだろうか、そして体力は? もうやるしかないので、とにかく何も考えず歩きました。と、だんだん元気が出てきて、下りと言うこともありかなり楽に降りて行くことができました。知らないうちに前日苦労した岩場も越えていて、7時半ごろに昼御飯を食べた地点まで戻ってきました。ここからは、道も楽なので、気も楽になり、みんなどんどん進んで行きます。時折、登ってくるクレイジーな連中がいて、びっくり。迫り繰る日没の恐怖と戦いながら、それでもやっとparking lotに着いたのが9時15分。ちょうど日が暮れた直後でした。一同、ほっとして、そして達成感に満たされて、家へと向かいました。Momoいわく、「もう僕達とのhikeはこりごりかい?」 僕はひとこと、「Of course not!」 とても疲れたけれど、excitingでなかなか味わえないhikeでした。その日の晩は疲れ過ぎて全然眠れず、朝5時にビールでちょっと酔うことでやっと眠れました。その日からしばらく筋肉痛に悩まされたのは言うまでもありません(笑)。
Lone peak手前にて