stress解消その2


みなさんこんにちは。先日実家へ電話したところ、日本は今梅雨で良く雨が降っているようですね。こちらは雨はほとんど降りません。毎日強い日差しの中大学へ歩いて行くので、腕の皮が日焼けで早速むけてしまいました。

さて、今週はstress解消2として、先日出かけたPiano concertについてお話しましょう。
僕は小学校から中3までずっとpianoを習っていて、大学でも3年の時からピアノ同好会と言うサークルに所属していました。Pianoは弾くのも聴くのも大好きで、アメリカにもお気に入りのCDを何枚か持ってきました。名古屋にいたときから、プロ・アマチュア問わず生演奏を何回か聴きに行き、とっても心地よかったので、こちらでも聴く機会があれば是非とも行きたいと思っていました。そして、観光気分で訪れたTemple squareで無料のmusic concertが毎週行われていることを、モルモン教のシスターから教えてもらったのです。まずは、教会のことを簡単に紹介しないといけませんね。

そのうちこのコーナーで詳しくお話ししますが、Utah州はモルモン教の本拠地で、人口の6割が信者だと言われています。州都Salt Lake Cityのdowntownのど真ん中に、モルモン教の施設があります。いろいろあるのですが、その中でもTemple squareとよばれる1ブロックの中に、神殿やTabarnacleと呼ばれる大講堂、Visitors' center、そして各種コンサートや講義が行われるAssembly hallが建てられています。TabernacleとAssembly hallにはパイプオルガンがあり、Tarbanacleのパイプオルガンは世界で10番目に大きいものだそうです。Temple squareへ遊びに行くと、各国から修行のために集まってきたシスターの方が、これらの建物の説明をしてくれます。僕の場合、今までに2回来ていたのですが、建物がきれいなので5月の最終日曜日にふらっと訪れたところ、早速ブルガリア人のシスターの方が話しかけてきました。彼女と今の不安定な気持ちについて話していたら、日本人のシスターが居るから紹介するよ、と言われて確か坂本さんとおっしゃるシスターの方を紹介してもらいました。その方と(宗教の話ももちろんしましたが)音楽を聴きたいと思っている、と言う話をしたところAssembly Hallで毎週Temple square concert seriesと呼ばれる無料のコンサートが夜に開かれていることを教えてくれました。その後新聞の日曜版のArtsコーナーに、Temple square concertの紹介が毎週乗っていることを発見し、チェックしたところ、うまい具合に6月にGina Bachauerという団体の主催するYoung pianist international competitionがAssembly hallで行われる事がわかりました。普通コンクールは一般には公開されないものだと思うのですが、このコンクールはなんと無料で一般の人が自由に演奏を聴きにくることが出来るのです。そこで、日本人の音楽好きの先輩を誘って、コンクールのfinalを見に行くことにしました。

6月19日夜7時半から始まったfinal competitionでは、42人の世界中からの参加者が6人にまで絞られていて、全員がconcertoを弾いていました。オケはなく、代わりにプロのpinanistが、もう一台用意されたpianoでオケの部分をpiano arrange versionで弾くというスタイルでした。

曲目およびfinalistは以下の通りです。そう、日本人がなんと2人も残っていました。

Yuliang Tu, China
Piano concerto in E minor, Op. 11 F. Chopin
Allegro maestoso

Akari Okada, Japan
Piano concerto in C minor, Op. 37 L. V. Beethoven
Allegro con brio

Yurino Izumi, Japan
Piano concerto in G minor, Op. 22 C. Saint-Saens
Moderato sostenuto

Marko Pavlovic, Yugoslavia
Piano concerto in E minor, Op. 11 F. Chopin
Allegro maestoso

Yundi Li, China
Piano concerto in E-flat major F. Liszt
Allegro maestoso-Quasi adagio-Allegro marziale animato

Colleen ka Ling Lee, British national (Hong Kong)
Piano concerto in E minor, Op. 11 F. Chopin
Allegro maestoso

アメリカの地方都市で行われているコンクールにしてはものすごくレベルが高く、びっくりしました。日本人二人もなかなか上手で、Izumiさんの方が3位に入りました。コンサートの後、ホールの入り口にいた彼女に思わず日本語で「とってもよかったです」と声を掛けてしまいました。
 しかしそれを上回るすばらしい演奏だったのが、5人目のリストのコンチェルトを弾いたLiさんで、会場からため息が漏れていました。なんというのか、competitionの緊張感を完全に凌駕し、ピアノから自在に最高の音を引き出している、という感じで他の5人を圧倒していました。弱音の美しさとリズム感の良さが特に際だち、難しいリストの音を完璧に出し切っていました。伴奏の人とも息がぴったりで、見てる方からも楽しんで弾いているのがわかる、そう言う演奏でした。そして、当然のように1位でした。

久しぶりに生演奏でとても感激したので、一週間後の昨日、同じ時間・同じホールで行われたWinner's recitalにも行って来ました。曲目は以下の通りです。

Sixth prize
Akari Okada, Japan

Etude in A minor, Op. 23, No. 11 F. Chopin
Sonata in B-flat major, Op. 84 - Vivace S. Prokofiev

Second prize
Colleen Ka Ling Lee, Hong Kong

Une barque sur l'ocean M. Ravel
Polonaise Fantasie in A flat major, Op. 61 F. Chopin

Fourth prize
Marko Pavlovic, Yugoslavia

Mehpisto Waltz F. Liszt

Fifth prize
Yuliang Tu, China

Fantasy in F minor, Op. 49 F. Chopin

Third prize
Yurino Izumi, Japan

Intermezzo in A flat major F. Poulenc
Sonata - Choral and Variations H. Dutilleux

First prize
Yun Di Li, China

Sonata in A major Op. 82 - Vivace S. Prokofiev
Andante Spinato and Grand Polonaise, Op. 20 F. Chopin

この日の演奏では、Second prizeだったLeeさんのRavelとやはりFirst prizeのLiさんのChopinが素晴らしかったです。LiさんのChopinのときは、自然と涙が出てきました。音の美しさが、心の中にある色んな悩みや不安を消してくれました。演奏が終わると全員総立ちで(もちろん僕も)会場が割れんばかりの拍手で包まれました。音楽はやっぱりいいなあ、とすてきな演奏をしてくださった6人のpianistに感謝しながら、幸せな気分で昨日は寝ることが出来ました。

こんな感じで、教会のイベントをうまく使って、精神的にrelaxできる事を知って、今はずいぶん気分が楽になっています。さて、来週はつい最近参加し始めた英語教室についてお話ししましょう。それではまた。

追伸

慣れてきたこともあって最近ラボに遅くまでいるようになり、11時頃歩いて帰るようになりましたが、帰り道でPoliceが若者の集団に尋問していたり、大学から出てすぐのところでちょっとがら悪そうな連中がたむろってたりして、あまり安心しきっているのも良くないと思うようになりました。出来るだけ10時頃までに帰り、朝を早めに始めるようにしようと思っています。

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