学生のこと


みなさんこんにちは。今週は学生の生活について思ったことを書きます。

 僕が今いる研究室にはassociate professorのボス、post-docの僕、graduate studentが2名、undergraduateが7名います。現在はsemesterの合間なので、undergraduateのみなさんもラボでほとんどの時間を過ごします。semesterとは、日本で言う学期のことで、University of Utahの場合、spring semesterとfall semesterの2つがあります。夏の間には、summer termというのがあります。今後の予定表を見ますと、fall semesterのclassが始まるのが8月25日、終わるのが12月10日です。試験が12月14日から17日となっています。来年のspring semesterが始まるのが1月10日、終わるのが4月27日、その後卒業式が待っています。いわゆる日本で言う学年のようなものはなく、何年生?と聞いてもはっきりした返事をもらえません。たいてい、卒業まで後2semester必要なのだ、という風に教えてくれます。また、何年大学にいてもいいらしいです。単位さえ揃えば卒業できるようです。

 さて、僕は最初undergraduateは日本と同じように4年生になるとラボに所属して、1年間卒業研究を行うのだろうと思っていましたが、そうではありません。そもそも卒業研究というものがないのです。みんな試験を受けて単位さえ揃えば卒業できます。では、どのようにしてラボにやってくるのかというと、ラボがお金を出してundergraduateに仕事をしてもらう、という形で募集を行うのです。アルバイトのようなものです。自らラボを選んでやってくるわけですから、皆さん優秀でよく頑張ります。大変だなあと思うのは、普段のsemesterの時期には、classと実験を両立させなければならないと言うことです。従って短時間でラボでの実験を済ませ、授業に出て、家に帰ったらまた予習や復習、homeworkをこなさねばなりません。うちのラボの場合、年に1,2回group meetingで1時間ほど仕事の報告会を行わねばなりませんが、それ以外はラボでの義務のようなものはないようです。たいてい、undergraduateは卒業すると他の大学の大学院へ進学します。そのままラボに大学院生として進学してくることはほとんどないようです。進学先もいろいろですが、medical schoolを目指す人が多いようです。日本と同じく、医学部は進学が非常に難しいらしいです。それはやはり、卒業後の収入や名誉など得るものが多いからなのでしょう。このように、undergraduateはラボにきて初めて実験を習い、基礎を学んで大学院へと進学していくようです。

 一方、大学院生も最初の数年間はclassと実験を両立しなければなりません。また、classが非常に厳しいようです。ただ、これはうちの学科だけなのかもしれません。他の学科の場合、classの数が少ないところもあるようです。そして、みんな本当によく勉強しています。大学の建物の中にある自習用の勉強机はいつも埋まっていて、誰もが真剣に勉強しています。そのせいか、いろいろ良く知っています。恥ずかしながら、博士号を持っている僕よりもずっと良く知っているなと思うこともたびたびあります。Department of Biologyでは、semesterの時期になると、tripとよばれるセミナー形式のprogress reportが毎週火曜日に行われます。tripで発表するのは大学院生とpost-docですが、みんな発表も上手だし、質疑応答でも臆することなく堂々と答えます。自分の大学院時代と比較すると、はぁ、とため息をついてしまいます。また、アメリカ人はよく遊ぶというイメージがあるかもしれませんが、人によって違います。うちのラボの院生は本当によく働くので、僕も大変刺激を受けています。そして思ったのはみんな要領が良く、あまり失敗をしないということと、前向きに考える人が多いと言うことですね。僕などは悪い癖でいつも悪い方へ考えてしまうのですが、こちらの人は僕の見る限りではあまりそういう人はいません。そして、個人主義です。とにかく自分のことをしっかりやることが最優先されているようです。でもだからといって不親切ということではなくて、実験でうまくいってないときなどは議論し合っていろいろ親切に答えてもらえます。

 というわけで、こちらの学生さんの印象について書いてみました。それではまた。

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