アメリカの中高生


みなさんこんにちは。日本は夏休みでしょうか? 去年の今頃は生物物理若手の会の夏の学校の準備で追われていた気がします。今年も確か明日の火曜日から4日間京都で開催されるようです。Utahは暑い日々が続いています。僕はなぜか先週は英語がうまく出てこなくて、しどろもどろしてしまいました。
さて、今週は先々週の水曜日に英語教室で行われた、アメリカの中高生との対話についてお話ししましょう。

 以前お話ししたと思いますが、僕は現在、毎週水曜日の夜に行われている夏季限定の英語教室(無料)に参加しています。7月14日(水)にはアメリカの中高生10数人と話す機会を与えられて、学校の話やお互いの国について話をしました。残念なことに、ここ数回は英語教室に来るメンバーが僕を除けば全員Chineseなので、アメリカ人対中国人・日本人という形の討論会になってしまいましたが、参加してみていろいろと勉強になったことがありました。中高生がいすが足りないほど来てくれたのでどうするのかなと思っていたら、当たり前のように男の子も女の子もぺたっと床に座りました(この辺は最近の日本の若者も同じかな)。印象的だったことを列挙しますと、アメリカの学校の開始時間はとても早い。朝の7時半から授業が始まるみたいです。あまり自国のこと以外には興味がない。アメリカ民主主義を誇りに思っている(つまり自分の国が好き)。彼らの間で深刻な問題になっているのは、家族の問題や薬物、self-esteemできないこと(鬱)などのために自殺してしまう人がいること、などのようです。クラブ活動もあるようですが、日本とはちょっと違うみたい。厳しい練習をするという話は聞けませんでした。日曜日には教会へ行き、家族と時間を過ごし、土曜日はパーティに参加したり映画を見たり、スポーツを楽しんだりして過ごすようです。
 30分ほどこうして議論をした後、建物の外へ出てお互いに混ざり合って自由に話をする時間を与えられました。そのとき何人かの少年が僕のところに寄ってきて、野球の話やゲームの話をしました。ある子は、「TV game is my life!」なんて言ってました。こちらでも、TV gameはとても人気があり、game softを売る店が大学のそばにもあります。日本について何を知ってる?と聞くと、Nintendo, PlayStationなどと言うので笑ってしまいました。先日PlayStationのCMを初めてTVで見たのですが、CMの最後にPlayStationのロゴとともに「PlayStation!」とコールするのですが、そのコールはなんと明らかに日本人の女性の発音でした。そういえば、大学の厚生施設であるUnion buildingにはゲーム機が結構な数並んでいるんですが、その多くは日本でもよく見かけるようなゲームでしたっけ。また、彼らを引率してきた学校の先生とも話しましたが、彼女が言うには、Utahはinternationalな環境ではなく、白人が人口のほとんどを占めていて、ヒスパニック系(今アメリカの中で最も多い人種)や黒人、アジア系などはあまり周りにいないのだそうです。だから、自国のこと以外にはあまり興味がわかず、他の国について勉強する機会もほとんどないとのこと。そう言うところは日本も同じだと答えました。日本も単一民族で保守的なので、色んな差別が今問題になっているのだと話をしました。

 さて、英語教室側は僕以外が全員中国人なので、僕にもよく質問が来ました。日本の中高生は受験のために厳しい勉強を強いられること、その代わり大学に入ったら遊んでしまうこと。日本ではいじめ(abuse)が深刻な問題であること。でも日本とアメリカの間では文化的にはそう大差ないこと。そう言うことを話しました。日本の受験勉強の厳しさにはみんなびっくりしたようでした。

 僕以外の中国人の中に、既にかなり英語をしゃべることの出来る人が2人いて、対話は主に僕とこの2人に対してアメリカ中高生が答えるという形になりました。中国人の話も興味深かったです。中国では地方に住む人は大学に行くことは非常に難しいそうです。日本で言うセンター試験のようなものがあり、それに25歳までにパスしなければ2度と大学に入る資格を得ることが出来ないらしい。また大学に入らなければ都会で職を得ることは不可能で、地方へ帰らねばならないとのこと。だから小さい頃から非常によく勉強する(させられる?)そうです。そう言う点では日本よりもずっと厳しいみたいです。アメリカの大学と自国の大学とどちらがよく勉強しているか、という質問が出たとき、中国人は迷わず「中国」と答えたのに対し、僕は「アメリカ」と答えました。中国の大学生は英語の勉強にもかなりの時間を割くみたいです。後で聞いたのですが、英語の達者な2人のうちの一人であるEnglish nameをlauraという女性(U of Uでfinance(金融)を勉強している)は、こちらでも朝から晩まで大学でも家でも勉強している、と話してくれました。僕も見習わなくては。興味深かったのは政治の話が出たときです。中国のsocializmは窮屈だ、とアメリカ人が言うと、中国人は急にエキサイトして、中国型社会主義にもいいところはあるんだ、とかほとんどの中国人は政治に参加できないし政治のことを知らないんだ、と一生懸命説明を始めました。それを聞いていて、政治の話をするときは気を付けなければならない、と思いました。日本人は政治の話というとみんな煙たがりますが、アメリカ人とか中国人とか外国の人々はかなり自分の国の政策について詳しく知っていて、またそれに対する意見も持っているようです。しかも、みんな自己主張が強い! 日本では美徳とされる「一歩下がる」とか「へりくだる」という精神はどうやらこちらではあまり見られないようです。こういうはっきりしたところは、わかりやすくていいのですが、こてこての日本人精神を持つ僕には時に「えっ」と思うときも時々ありますね。

 というわけで、今週はここまで。

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