トルネードなど |
トルネード
日本でも結構大きく報道されたみたいなので、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、先週水曜日(8月11日)の昼12時46分にトルネード(竜巻)がソルトレイクシティを襲いました。ダウンタウンの中心部を斜め北に向かって進んで行き、プロバスケットのユタ・ジャズの本拠地であるデルタ・センター、ウィンダム・ホテル、週末に予定されていたアウトドア・マーケット、住宅地のアベニューをヒットして、約9分後に山の方へと抜けていったみたいです。一番被害が大きかったのが、アウトドア・マーケットのテントで、そこで働いていた人の多くがけがをして、一人が亡くなりました。デルタ・センターも屋根や天井がやられて、修理のために6週間閉鎖されるようです。ユタ・ジャズのオーナーで、デルタ・センターのオーナーでもあるミラーさんの話では、修理には500万ドルかかるらしいです。このミラーさんは記者会見の場でよく涙を流すんですが、今回もかなりがっくりして泣いていました(以前、カール・マローンが契約したときも泣いていたし、この間腹心のレイデンがニューヨーク・ニックスへ移ることを決めたときにも泣いている写真が新聞に載っていました)。土曜日にかなり木がなぎ倒されたというState capitalへ行って来ましたが、多くの木が既に刈り取られ整理されていました。それでも折れた枝がまだあちこちに残っていて、ひどかった様子が感じられました。
僕の方は大学にいて無傷でした。アパートも何も問題なく、停電などにも悩まされませんでした。ダウンタウンの方は水曜の夜は停電していたようですが。ラボのメンバーの家族や家にも被害はなかったようです。トルネードの話題はやや遅れて一時半頃同僚から教えてもらいました。ユタでは大変珍しいことのようで、みんなびっくりしていました。家族に電話を掛けたり、ラジオに耳を澄ませたりして情報を集めて、家族が無事であると言うことを確認すると、みんなほっとして、「We are survive!」と喜んでいました。僕の方にも皆さんからもいくつか安否を問うメールをいただき、本当にありがとうございました。僕は元気です。しかし、何事にも気を付けないといけない、と気を引き締める思いです。
機械のトラブル
僕にとっては金曜の晩に起きたこの事件の方が、トルネードよりも大きなものでした。僕の実験では、X線フィルムに感光させて結果を得る過程があるので現像機を使います。金曜の晩にいつものように機械の様子を見に行くと、機械から茶色の液体が漏れていて床にかなりの量が流れて出していました。金曜の夜なので、ボスは帰ってしまっていないし、院生もいったん帰ってしまったので、僕の所属する研究室には誰もいない状態でした。つまり、困ったことに誰に助けを求めればいいのか分からないわけです。機械は共通の機器なので、その機械を管理しているラボの人に助けを求めたら、「no idea」と一言。しかたなしにラボに帰ってああでもないこうでもないと悩みました。僕が機械を壊したわけではないので、ほっておくと言うことも考えましたが、そう言うわけにも行かず、機械のあるフロアをうろうろしたところ、もう一つのラボにMacで遊んでいる人がいたので、その人に助けを求めました。「Can you help me?」おそるおそるその初対面の人に状況を話したら、その人もまだこちらに来て3週間だからno ideaと言われ、再びがーん。でも別の人を呼んでくれました。その彼は親切にも一緒に様子を見てくれました。しかし、彼もどうしようもないねえ、というので、僕はますます顔が青くなり困り果てていたら、2階のラボの人がやってきて、どうやら既にどこかに電話で何とかしてくれるよう頼んでくれたようなのです。それで彼に任せることにして、僕はお役ご免になりました。その後ラボに帰ってきて、どっと疲れが出てしまいました。もし本当に誰も助けてくれなかったら、と思うとぞっとします。こういうときに、ああ、自分には何もできない、本当に無力なんだ、と思い知らされます。英語は不自由だし、知り合いはいないし、でも何とかしなければならない、本当に心細い思いをしました。夜や週末の人のいないときには、大きな装置を使う実験はしないようにしようと、思いました。
今週はここまでです。
追伸
今週水曜日は僕の誕生日、ついに29歳になります。そして、月末には学振の一次選考の結果が出ます。僕は悪い方に考えてしまう性格なので、昨日の夜見た夢では、1次選考に落ちていました。採択率がかなり低いので、覚悟はしていますが・・・