バス


みなさんこんにちは。Utahは先週初雪でした。やっと寒くなってきました。さて、今週はバスについてお話ししましょう。

Utahでは、UTA (Utah Transit Authority) という公的機関がバスを走らせています。ガイドブックによれば、100以上のルートをもち、営業距離数は1800 square-mile areaだそうです。路線図を見ると、この近辺のたいていのところを網羅するように走っています。大学のbookstoreへ行けば、そのルート図と時刻表が置かれています。Salt Palaceという建物にあるvisitor centorへ行けば、全路線図をもらうこともできます。僕の住んでいるSalt Lake Cityを含むValley areaでは、運賃は$1.00です。Downtownでは料金フリーの区間も設けられています。

バスの乗り降りについて
 最初の頃はアパートから大学までの20分の距離を毎日歩いていましたが、だんだん朝出来るだけ寝ていたくなり、バスがアパートのすぐ近くからラボの手前まで運んでくれることを知ってからは、バスを結構利用するようになりました。University of Utahでpost-docとして働いている場合、大学側から勤務者向けに与えられるbenefitとして、UTA busのフリーパスチケットをもらうことが出来ます。University ID cardの裏側にUTA 99/00(2000年まで使用可能)と書かれた金色のシールを貼ってもらい、それを運転手に示せば料金を払わなくてよいのです。ただで乗れるのでこれは利用しない手はない、とぐうたらな僕はどんどん利用するようになりました。
 ところで、バスの乗り方・降り方ですが、UTAの場合、ルート番号と行き先の書かれた青い小さな看板が交差点に建てられており、それがバス停の役目をしています。この看板しかないところでは、残念ながらスケジュールを知ることは出来ません。看板にはルート番号と行き先しか書かれていないのです(バス停の名前も書いてありません)。このようなバス停の場合、日本で見かけるベンチやゴミ箱などはほとんどないため、本当にバス停なのか最初は分かりませんでした。乗り降りの多いバス停(たとえば大学の前など)になると、屋根付きのボックスが建てられ、そこにはバスのスケジュールが書かれたボードが用意されています。最初に述べました時刻表には、残念ながら全部のバス停の到着予定時刻は書かれておらず、主要なバス停のみ掲載されています。従って小さなバス停から乗るときには、その時刻表からだいたいの時間を予測して待っていることになります。
 バスの乗り方は日本と同じで、バスがバス停に着くと一番前の扉が開いてそこから乗ることになります。INBOUNDと表示されたバスの場合は乗るときに料金を支払います。このことをPay as you board.といいます。OUTBOUNDと表示されたバスの場合は、降りるときに支払います。このことはPay as you exit.といいます。INBOUNDとOUTBOUNDの違いは、UTAの場合、downtownから郊外へ向かう場合がOUTBOUND、郊外からdowntownへ向かうときがINBOUNDということになっています。最初なかなか覚えられなかったのですが、僕の実家の奈良交通も学園前駅へ向かうバスは乗るときに支払い、学園前駅から住宅地へ向かうバスは降りるときに払っていたので、やがて慣れました。僕の場合はフリーパスなので、先ほども書いたようにシールを運転手に見せると乗せて(降ろして)もらえます。運転手さんに、乗るときには"Hello."、降りるときには"Thank you."を言うのが礼儀のようです。なんと、バスのフロントに自転車を引っかけていくことが出来ます。僕はやったことがないので分かりませんが、どうやら無料で出来るみたいです。さて、バスの降り方ですが、これはアメリカでは共通のようなのですが、降りるバス停が近づいてきたら、窓際に取り付けられているひもを引っ張ります。そうするとポン!と音がして、運転席のすぐ上のボードに「Stop requested」というサインがでます。日本と違い、車内アナウンスはいいかげんなので、外をちゃんと見て次が降りるバス停であることを確認しておかないと、ひもを引っ張るタイミングを逸してしまいます。車内アナウンスは、運転手さんがやってくれます。日本のように録音テープの再生ではありません。バス停が近づくと「200 south, 900 east」とアナウンスしてくれますが、人によってはマイクを通さないこともあり、聞き取りにくいです。

おおらかな運転
 良く言えばおおらか、悪く言えばいい加減です。というのは、UTAは州の公的機関で、税金を使って運営しているらしく、日本のように競争がないため結構いい加減なスケジュールで運行されていることがあります。最近は割と時間通りに来てくれることが多いのですが、ときどき待っても待っても全然来ないことがあります。時に土曜日の運行はひどくて、ええっ!というようなときに来たりします。みんないらいらして待っているのですが、不思議と文句を運転手に言うことはないのです。この前などは、1ブロック北へバスが行ってしまい、どうなることかと思いました。ラボの連中や知り合った人たちに聞くと、大学へバスを使ってくる人もいるにはいるけれど、みんなその不便さには不満があるようです。だから大学まで車で来る人も多いです。僕も朝はバスが全然来ないときなどはあきらめて歩くことも多いです。ただ、帰りは時間が遅いせいか割合と正確な時間にやってくるので、この頃はバスの時刻に合わせて帰宅するようになりました。

マナーのこと
 最近日本では乗車マナーのことが良く話題になっているようですね。こちらでは体の不自由な人がバスを利用することも多いので、入り口付近に座った人はごく自然に席を立ち、後ろの空いた席に変わっていました。この間うれしかったのは、観光客らしい日本人の若い女性二人が、やはりお年寄りが乗ってきたときにすぐさま席を替わっていたこと(それもとても自然な感じで)です。日本人のマナーが低下していると言われていますが、なかなかどうして、そんなことはないと思いました。

ではまた。

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