7月12日 (By YO)


百武さん(PNAS)
Shigella の病原性因子IcsAの極局在の話。FtsZ set やMinと独立の系で極に局在しているらしい。しかも極局在には1-104,507-620のそれぞれの領域だけで十分で、分裂に抑制的に作用するとのこと。気になるこの配列は、BLASTにかけても相同なものがないが、1-104,507-620の間ではよく保存されている (PNAS: 98,9871-9876)。
何と相互作用しているのだろう?

田島くん(nature)
植物の分化に関わるタンパク質の話。昔義務教育でニンジンのカルスを使って植物の分化を習った記憶があるので、よく調べられているものだと思っていたけど、動物よりよくわかっていないとのこと。
この論文は、川岸さんが大学4年生の時の師匠と同級生によるものだそうですが、川岸さんの学生時代なんて想像できないです(失礼ですね、すみません)。
(伊藤知彦注:大学にいる人間は一般社会の人々と違って成長が止まってしまっているようです。だから、多分学生時代の川岸さんは(本間さんや私も)今よりも表面的な老化現象が少し少ないだけですヨ(中身は良くなっているのか退化しているのかは知らない)。)

吉本くん(JBC)
アポトーシスを回避するメカニズムの話。アポトーシスを阻止したら、異常細胞が増加してまずいのは・・・と思ったけど、よく考えたらアポトーシスの系も暴走することがあるので、制御は大切ですね。

小嶋さん(EMBO)
FtsKのDNAたぐりよせを一分子計測で見る話。構造もわかっていないのにcomplexのモデルを作ってしまうとは大胆。

川岸さん(Science)
神経伝達物質のtransporterの話。実験の条件によって結果も異なってしまい、最終的にたどり着くモデルも異なるということがよくわかった。実験はあくまで実験であって、真実を見つけるのは本当に難しい。驚いたことにこの実験に使われたマウスは外界の認識などに異常があるもののある程度は生きられるらしい。
Perspectiveの最後の文章は皮肉っぽいなあ。



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