11月15日(By HF)


EMBO 23(17) p3570薬師さん.
EPECの宿主細胞への感染の話.EPECのTypeIII 分泌系によって送り込まれたEspGやOrf3が引き金になって宿主細胞にストレスファイバーが形成されるまでの一連の過程が明らかになった.
細菌が宿 主の反応系を巧みに利用していることに驚かされます.でも感染したくないですね.

PNAS 101(33) p12159野村さん.
好熱菌のF1-F0ATPaseのcリングが10個のサブユニットからできていることを示した論文.直列につなげたcリングサブユニットの数が 2,5,10のときにATP加水分解活性やプロトンポンプ活性,ATP合成活性が見られるのはやはりきれいな結果だと思う.
120度×3の回転ステップ と 10個のcサブユニットの説明は難しい・・・.

Science 306(5697) p879 小嶋くん.
セロトニントランスポーターの阻害剤(FLX)を幼いマウスに与えると,その後投与をやめても成長後に影響が残ることを示した論文.
ヒトでも幼い時に抗 うつ剤の類いを摂取すると同じような影響がでるのだろうか?薬ばかりに頼るのは良くないということですね.

JBC 279 (40) p42321 古田さん.
酵母の生育にホスファチジルコリン(PtdCho)が必須ではないことを示した論文.PtdChoの生合成経路(PtdEtnのメチル基転移酵素)の変 異株に,コリンのかわりにプロパノールアミンを与えても生育でき,ホスファチジルプロパノールができていたらしい.
生物は一つの系が機能しなくても,そ れを補う系をちゃんと持っているということでしょうか.

Nature 431 (7011) p1002 ソフィーさん.
ジンクフィンガー型リプレッサーであるGfi-1 (growth factor independent 1)が,造血幹細胞(HSC)の増殖プログラムの進行を抑えることを示した論文。Gfi-1を除去するとHSCの増殖速度が上昇すること,Gfi-1- /-のHSCは機能が失われていること、Gfi-1-/-胚性幹細胞から作製したキメラマウスの骨髄中ではHSCはすぐに駆逐されることがわかったらしい.
細胞の増殖が分子レベルできちんと制御されているのはやはりすごいですね.



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