12月20日(By YH)

EMBO, Vol.23, No.23 楠本さん
4538: ETECがhostに感染する際にvesicleを使ってtoxinを運ぶという話。
E. coliの外膜とPGから構成されるvesicleにLTというtoxic proteinが含まれていて、それがターゲットとなるhostの細胞膜のラフト等に含まれるGM1とやらを認識し、カベオラを経由してvesicleが細胞内に取り込まれるらしい。
しかしこのvesicleってのがかなり素性不明。E. coliはどういうメカニズムでvesicleを生み出してるんだろうか?

JBC, Vol.279, No.46 谷ヶ崎くん
47792: ShigellaがTTSSによってhostにエフェクターたんぱく質を注入するときもhostのラフトの認識がトリガーとなるらしい。
こっちもラフト?

Nature, 7017 薬師さん
568, 573, 649: クラスリンの構造がクライオ電顕で解けました、という話。
クライオ電顕による単粒子解析とともに、既知の部分的な結晶構造とのマッチングやホモロジーモデリングを駆使して解いている。
しかし生物物理学会でも感じたんですがクライオ電顕による単粒子解析がはやりというか、よく目にしますねー。
一回軌道にのってしまえば、あとは根性さえあればどれだけでも解像度を上げられるというのは魅力的に映ります。

PNAS, No.46, No.47 百武さん
16310: マラリア原虫がヒトの赤血球から蚊の中腸上皮細胞へ移る際にMAOPというたんぱく質が関わっていることがわかったとのこと。
こうやって感染メカニズムが解明されればされるほど昔感じたマラリアに対する恐怖感というものが薄れていく感じがします。
(おじさんの注:でもアフリカなどではまだまだ怖い病気。ケアの可能な人口20万人程度の地域でも、ピーク時には1週間に10人ぐらいずつ”診療所に来ることができた”子供が死んでいくらしい。)

Science, Vol.306, No.5700 瀧口金さん
1370: 新規の蛍光タンパク質、Dronpaの話。
約500nmの光を当てると消光し、約400nmの光を当てると再び励起される性質があり、光のオン/オフを自由に切り替えられるらしい。
他の蛍光たんぱく質と組み合わせれば使い道は意外にあるかも?
どうでもいい話だけど改まった場でつかうにはこのネーミングは日本人としては恥ずかしいなと思ってしまいました。

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