2005年4月25日
檜作くん (EMBO Vol. 24(6) 1287, Pust et al.)
Listeriaが次の細胞へ移動するときERMタンパク質が必要らしい。ERMは脂質膜とアクチンをリンクする宿主側のタンパク質。ERMに注目したのは、Listeriaが次の細胞へ移動するとき、突起状の膜構造を作るということからなんだろうか。ERMの抑制で、突起状の膜構造を作られなくなることと、感染させたListeriaが次の細胞へ広がらなくなることがデータ。Ezrin変異体による実験から、おそらくリン酸化も関与。
個人的にちょっと面白いと思ったのは、EzrinにGFPをつなげるとき、N末かC末かで、膜の輪郭かアクチンかという染め分けができるところ。
薬師さん (Nature Vol. 433(7026) 589&610, Tard et al.)
燃料電池の電極に、高価な白金ではなくて、脱水素酵素活性中心の鉄−硫黄化合物を使いたいという話。化学の分野の研究が進んだ背景に、生物の分野で脱水素酵素の構造が解かれたことが大きく貢献している。
こういったお互いの良い関係はもっとあって欲しいものです。
紹介されませんでしたけれど、個人的に興味があったのは、Vol. 434(7033) 571&636の酵母では性別があった方が、高温ストレスに有利という話。
瀧口陽子さん (Science Vol. 307(5716) 1781, Spiliotis et al.)
陽子さんのSeptinで実験をしています宣言。
(Vol. 307(5716) 1746, Rocks et al.)
3種のRasが膜に局在できるのは、farnesyl化やpalmitoyl化のおかげ。この修飾をかえると、本来の細胞膜やゴルジ体ではなく、すべての種類の膜に存在することもあるそうだ。
何が、アシル化を認識して、輸送しているのか。制御されない状態では、受動的に膜全体に広がるのか。それとも、積極的な輸送がなければ局在し続けるのかが気になるところ。
小嶋くん (PNAS Vol. 101(38) 13927&13933, Nishiwaki et al., & Xu et al.)
先日、KaiABCが生物時計のコアだということが発表されたわけですけれど (3つだけで振動するという話は昨年の11月くらいからのデータ?)、その少し前のお話。KaiCの重要なリン酸化サイトをつぶす実験。
2つのグループが出した、in vivoとin vitroのデータの間でちょっとずつくい違いがあるような、ないような。
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