2005年5月16日
稲葉君(Science, 25 Feb. 2005 vol.307, no.5713)
TTSSニードル構造とLPSと病原性の関係の特集。
確かにニードルは小さく電顕でも見づらいけれど、まさかLPSの長さにその機能が影響を受けていたとは思わなかった。抗原(ニードル)を隠すという意味ではLPSは最適かとは思うけど、病原性にも関係があるとは。
絨毯に落とした針を踏んだら痛いけど、ナノスケールでは構造体の固さみたいな事は関係ないということなのかな。

吉本君(PNAS, vol.102(2), /N. Minois et al./)
Yeastの寿命を測ってしまおうという計測方法のデモンストレーション的な話(だと思う)。
Phloxine Bという蛍光(?)物質に対する排出機能を使って酵母菌の生死を判別して寿命を計測しています。
それまでの分裂回数を数える方法では難しかった実際の寿命が計測できるようになったというところがミソなのかな。

川岸さん(EMBOJ, vol.24 no.3, /V. Hlavackova et al./)
GPCR(って何なのかよく分からなかったけど)のダイマーを使った実験らしい。
実際は二種類のGABAレセプターとmGluRとのキメラを作って、dimerとなった場合常に片割れのアクティブサイトしか活性化されないという特性を生かして変異体の機能解析をしている(と私は解釈しました)。結果、機能しない片割れの活性化を妨げるともう片方の機能がよくなるということらしい。
そもそもhomodimerを形成する分子が代わりばんこに機能している意味って何なのだろうか。

本間さん(Nature, vol.434, /Boxma et al./)
Hydrogenomeの遺伝子やタンパク質を同定したという話題。
Hydrogenomeが何なのかよく知りませんが、酸素無しで呼吸できるミトコンドリアの兄弟みたいなものでしょうか。
メタンをメタノールにする酵素のリボン系の話や、clam体内で生まれる毒性に対するclam自身の耐性、など 今日もNature的なインパクトだけで引っ張るネタばかりだった。


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