2005年 9月12日
・田島さん Nature Vol436 Issue no.7052の812
 染色体が紡錐体に並べられるときに、微小管だけでなく、アクチンも重要であるということをヒトデの卵を用いて証明したもの。まずアクチンの脱重合(網状になったもの)で染色体を集め、その後、微小管によって紡錐体に並べられる。これは、微小管の脱重合を阻害した場合とアクチンをすべてフィラメントにした場合に、染色体の動きが遅くなることから分かる。
網状になったアクチンを“漁網”という表現を使っているところが面白かったです。

・坂野さん Science Vol309 no.5735の774
 染色体移動のメカニズムを説いたもの。search and captureが起きていると考えられていたが、実は、細胞内の極性により分配されていることが分かった。そこで重要なのは、RanGTPとImportin-β複合体の濃度勾配らしい。これはNucleationとStabilizationの効率がRanGTPの濃度で違うことからも分かる。
染色体が微小管によって移動するという現象は知っていたけど、適当に起きているのではなくて、ちゃんとしたメカニズムがあると聞いてすごいなと思いました。

・楠本さん PNAS 102(26) 9170-9175
 バクテリアのBtubA/Bの結晶構造を解いたもの。これはチューブリンの結晶構造とよく似ていた。しかもGTP依存的に繊維状の構造体を作ることから、チューブ状ではないけれど、まさにチューブリンの性質を持っている。
何をしているものかは明らかにされていないけど・・・この機能も分かってくると面白くなりそうですね。

・檜作さん Cell(2005)121(7)
 ショウジョウバエのメスのSXLがどうやってmsl-2の翻訳をどのように阻害しているかを証明したもの。SXLは二つの働きがあって、リボソーム43Sの5'-UTRへの結合阻害と、結合してしまった場合のスキャニングがある。
メスに特別な性質があるといえるのか、その性質を持たないことが特別なのか、どっちだろう。これに限ったことではないですけど・・・



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