2005年10月 3日
瀧口陽子さん Nature(Vol.437 No.7056 257)
プリオンのオリゴマーと繊維のどちらが体に悪い?というお話。
結果:300〜600kDaのサイズのものが悪い。ゲル濾過ではないサイズで分離する方法、flow-field-flow みたいな名前。ゲル濾過と比べてタンパクのカラム内への吸着とかなさそうでいいですね。

谷ヶ崎さん Science(Vol.309 No.5734 617)
八年間トリの写真を撮影している研究室の、コミドリコンゴウインコの雌雄の模様の意義のお話。
一般的なトリでは雌にアピールするため雄がカラフルである。これに対して、コミドリコンゴウインコは夫婦の仕事の分担に伴う、それぞれの仕事場の背景に合った保護色を持っている。
雄が緑で葉の中を飛び回るときにカムフラージュされるのはわかるけど、雌が木の幹の巣を護るのに赤と青というのがどうもピンとこないんですが…けっこう目立ちませんか?
人間の眼でみるからでしょうか?

吉本さん PNAS(Vol.102 No.29 12629)
同じ写真でも、育った文化によって注目するところが違うというお話。
異文化交流するときは注意をしなければ。でも僕は日本語以外しゃべれないのである意味心配いりません。

伊藤さん EMBO Journal(Vol.24 No.13 2284)
ER内でmisfoldされたタンパク質を細胞質に戻す機構のお話。
リボソーム同様、プロテアソームもSec61に結合する。Sec61がリボソームやプロテアソームと結合し、ペプチドを生産しER内へ送り出したり、misfoldした不完全タンパク質を引き戻したりする逆の機能を同じ通路で行っていることに感心しました。
タンパク質の結合の組み合わせで機能が逆転する機能は役者を少なくすることができ、無駄がなくおもしろいと思います。送り出されたタンパク質がものによっては75%もmisfoldするというのにはちょっとビックリしました。



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