2005年10月24日
松浦さん:Nature 436(7051) & 437(7059)
647 メカノセンスレセプターのレビューの紹介。
どうやって力を感知するか?というところが問題。
もともと、脂質親水頭部のシャープな力と疎水性アルキル基にかかる力が逆方向に働くことでつりあいが取れている。
ここに外から力が働くことでレセプターが開く。
モデルは2つあり、膜のひっぱりや折れ曲がりにより、膜に対して横方向に力が働くもの。
レセプターを直接ひっぱりあげることで、膜に対し垂直方向に力が働くもの。
後者は、聴覚の場合を想定しているのかな。

750 クオラムセンシングには、異種の細菌のシグナル分子を積極的に取り込むものもある。
大腸菌はV. harveyiのシグナルであるAI-2を取り込み、さらに関連遺伝子の転写も活性化する。
その結果として、Luciferase反応は抑制されることになる。

藤井くん:Science 309(5738) & 309(5743)
1245 異種の大腸菌の間に直接接触を介した標的の抑制機構があることがわかっ た。
標的の大腸菌とPETの網で仕切ることで、接触と非接触の条件を分けた調べている。
FACSを使って、2種の大腸菌の混合集団の存在が確認できた。

2057 タンパク質のフォールドを力を直接測ることで調べた。
ビーズ−DNA-Cys-RNase-Cyc-DNA−ビーズ
ビーズをそれぞれひっぱり、RNaseがほどけるときの力を測定している。
高い張力と低い張力のとき(時間あたりの移動速度?)、のびに対する力のグラフをそれぞれ描いている。
高い張力のときは、3つのフォールディング状態を経由して変形している。
この測定結果は、これまでのモデルとも合致している。

川岸さん:PNAS 102(28) & 102(41)
14515 NOシグナルの検出法としてFRETを利用したシステムを構築した。
毒性など従来の手法には問題が多い。
NOとcGMPによって、FRETするsGCα−sGCβ分子を利用している。
nMレベルのNOの検出も可能で、実際に細胞内でのイメージングも可能である。

坂野さん:EMBO 24(15) & 24(18)
3214 Kar3(酵母のキネシン)とCik1との相互作用の実験。
CDと電顕で調べていて、2種類混合するとヘテロダイマーらしきものができた。
ヘテロダイマーになると、キネシンとしての運動が4〜5倍になったらしい。

2741 精子の走化性はカルシウムイオン濃度が関与している。
低いときは直線的に、高いときはターンする。
ストロボ撮影で、精子の運動を調べた。
薄いチャンバー内での実験なので、精子は円を描く運動をしている。
ここへ誘引物質がくると一時的に曲率の大きな、小さい円運動になる。
この繰り返しで誘引物質の方向に向かうらしい。



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