2005年12月 5日

・藤井さん ENBO JOURNAL Vol.24 No.21,22 (22の3974)
Thermus thermophilusのV-ATPaseのF-サブユニットの構造が解けました。
独立したサブユニットが二量体になって存在しており、走化性タンパク質のひとつであるCheYとよく似ていた。しかも、これはリン酸化サイトも保存されており、その研究もされているらしい。
名前からはまったく違うもので共通点があるとは想像もつかないが、この話を聞いて、構造や機能において新たに既存のものと類似性があると発見できたらすごく面白いだろうなと思いました。

・小嶋誠司さん Nature Vol.438 No.7064,7066 (7064の86)
ウイルスを介してバクテリアからバクテリアへ遺伝子が移動し、移動先で発現する。
この遺伝子(psbA)は光合成遺伝子で、これを受け取ったバクテリアは、自身のpsbAを抑制し、ウイルスから入ってきた遺伝子が発現することで、PSIIが活性化し光合成が行なわれる。同じ遺伝子を自分で持っているのに、わざわざそれを抑制して外から入ってきたものを活用するのはすごいなあと思いました。
小嶋さんがどうしても言っておきたいとおっしゃっていた、膜上のsecMにリボソームがくっついて合成されたタンパクが外へ出て行く話(7066の318)と、ビーズを使ってマイクロチューブルの分解で生まれるを・・・(7066の384)は良く分かりませんでした。

・川岸さん Science Vol.310 No.5750,5752 (5752の1284,1344)
Wnt signalingがシナプス形成にも必要である。
シグナリング分子であるWntタンパク質は、細胞表面のFrizzledファミリーレセプターに結合して細胞質、核へと取り込まれることが分かっている。このとき、WntシグナルはC末端だけが切れて核内に入り、活性化するらしいが、C末端で何が起こっているかはわからない。
核外に残っているものが活性を持つのかどうかは分からないみたいですけど、本当にただ必要な部分を運ぶためだけのものなのかなと思いました。
知らないことや難しいことが多かった・・・頑張ります。

・坂野さん PNAS Vol.102 No.45,46 (46の16690)
HGPS(早老症)は、核膜がぐちゃぐちゃっと変になってしまうらしいが、正常細胞でも同じような現象がおきる。また逆に、核膜がきれいに保たれることで寿命が長くなるということが線虫から分かった。でも、核膜が変になるから老化するのか、老化していくから核膜が変になるのか分からないらしい。
核膜を元気に保つにはどうすればいいのかなあって思いましたが、加齢に関与しているテロメアの長さが、父親由来で生まれたころから決まっているらしいから、老いはいろんな因子が合わさって決まっているんだなと思いました。

・吉本さん Cell Vol.122 No.3,Vol.123 No.1(Vol.123 No.1)
ショウジョウバエにおいてコカインによって起こされる行動を制御しているのがmoodyである。これには、αとβの二つあるが、両方必要で、欠損しているとコカインでハエの行動がおかしくなるらしい。
料理で、えびを紹興酒につけて酔わせ、おとなしくさせて(臭みを取るという意味もあると思うが)、使うという方法があるが、これとハエが薬物でおかしくなるという現象から、ほとんどの生き物は薬やアルコールなどによって同じような現象を引き起こすんだなと思いました。

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