2006年 4月17日

福岡さん:Nature, vol.440, no.7082, 363
枯草菌の過酸化物防御応答に関与するPerRのお話。普段は防御遺伝子のプロモーターに結合しているが、過酸化物がやってくると離れて防御遺伝子発現を促進する大事なやつ。これまでZn2+の周りのシステイン残基がこの反応に大事といわれてたらしいけど、なんか違ったんですね。実際はFe2+の周りのヒスチジンが酸化されるとか。
僕的にはno.7085のDNAでスマイルマークを作ってるのが聞きたかったんですけど…。

松浦さん:Science, vol.5765, 1258&1263
脂肪酸合成酵素の結晶構造のお話。この酵素スゴイですね。別々の働きをするドメインが1本(酵母は2本)のポリペプチドを形成してるなんて。しかも酵母と哺乳類で構造が全く異なるのに、基本的に機能は同じとは。生物の進化って怖いです。哺乳類の方の形が首のない人型で身体のパーツの名前がついてるのもなかなかユニークでした。
酵母の方のαとβがそれぞれ6個ずつで作る複合体はホントに芸術だと思いました。チャンバー内でアクティブサイトが内側を向いていて、その真ん中にACPが位置する(推定)絶妙なデザインには参りましたです。

檜作君:PNAS, vol.103, no.15, 5764
コーロバクターの強力接着剤のお話。泳がずにものに接着するフェイズのときの、接着力を測定していた。あまりにも接着力が強くて光ピンセットではダメらしく、面白い方法で測定してたけど、ホントいろいろよく考え付くよね。
しかも外れた後に接着剤みたいな物質が現場に残ってたけど、一回外れたあとはもう接着剤は出ないのでしょうか?

寺島君:Cell, vol.124, no.5
大人気コーロバクターのTipNのお話。極局在していたTipNが菌の長さが4 μm以上になるときちんと拡散するメカニズムには興味を惹かれました。何か長さを感知するものがあるのでしょうか?
ΔTipNでべん毛の形成位置がおかしくなるのはいいのですが、モデルではストークからもべん毛が生えてますけど、マジっすか!

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