2006年 5月29日

今週の私は速報の講評が当たって、来週の私はnatureが当たっています。ほな、今nature何冊残ってんの?てゆーか1月のがまだ残ってるやん。やっぱり古いの1冊はやっとかなあかんねんなあ。はぁ。でもいまだに残ってるゆうことは何かしら理由があるんちゃう?もしかしてみんな避けてんの?うわー、どないしよー。みーひんかったことにしてええかな。とまあ、あれこれ悩んで、結局、古めのところから1冊と新しめのところから1冊選んだりするのですが。雑誌を選んだら次はどの論文を読むか決めねばなりません。アクチン...読んどかなあかんなぁ。バクテリアばっかり読んだら手抜きや思われるわな。悩ましい限りです。"On Making the Right Choice: The Deliberation-Without-Attention Effect" (Science 2006 no. 7653, p.1005, 小嶋M氏紹介)によると、小さい買い物では思いっきり悩んで買うと高い満足感が得られ、大きい買い物ではあまり悩まずに直感で決めたほうがむしろ高い満足感が得られるそうです。速報の場合も同じでしょうか?今回が速報デヴューの鈴木君は初めてなのになかなかの論文グッチョイぶりでした。きっと高い満足感を得ていることでしょう。"Three-dimensional structure of the bacterial cell wall peptidoglycan" (PNAS 2006 vol. 103, no. 12, p.4404, 鈴木氏紹介)は、ペプチドグリカンの三次元構造のイメージを分かりやすく理解できたと思います。最近、総説を書いていて、細胞の極のペプチドグリカンの流動性とか考えていたのでなおさら興味深かったです。"Adaptor protein controlled oligomerization activates the AAA+ protein ClpC" (EMBO 2006 vol. 25, no. 7, p. 1481 川岸さん紹介)のモデル図は、リンカー領域をあまり悩まずに描いてしまったのか、悩んだ挙句、思い切って描いたのか、どっちなんでしょうか。リンカーがリンカーらしくなく描かれてました。ミオシンVの首の動きを1分子観察した"Adaptability of myosin V studied by simultaneous detection of position and orientation"(EMBO 2006 vol. 25, no. 9, p. 1795, 川岸さん紹介)の著者たちも相当悩んだと思います。計測したステップの大きさが想定外のものであったとき、測定がうまくいってないデータとしてはねてしまいそうなところを、よく考えて想定外の値に意味を見出しています。1分子観察にはサンプルに選択がかかってしまうという宿命がありますが、意味のあるデータを落とさず拾ったところが素敵です。細胞内のcyclic AMPの局在観察法を確立した"Oscillation of cyclic AMP in hormone-stimulated insulin-secreting b-cells"の発想もすごいと思いました。それにしてもこのタイトルだと、私ならcyclic AMPが細胞の端から端を"oscillate"するのかと勘違いして早速選んで読み始めること間違いなしだと思います。論文を選ぶ時ってタイトルだけで簡単に決めてしまいます。みなさんはどのようにして速報の論文選んでますか?

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