2006年 9月11日

今日が速報再開でした。
夏休み明けだからなのかよく分からないですが、テンションの低い人が多かったですね、僕も含めて・・・。
それでは講評に入ります。

Nature担当はいまいち気分が乗っていない(本人談)檜作さんで、
Vol. 441, No. 7097とVol. 442, No. 7106を紹介されました。
7106のp. 1062:べん毛モーターの話
エレクトロン・クライオ電顕でステーターを含むモーター全体を観察した。何故かスピロヘータのべん毛を見ているのでサルモネラなどとは大分違う。早いうちに他の菌でも見られると思うので期待しています。

続いて、Science担当は瀧口金吾さんで、Vol.313,No.5780, 5790。
5790のp. 1100:ハーバード大学の人の自慢話か
シリコン基板上に神経細胞をコーティングして、同時にトランジスタも配置した。電気信号を細胞全体でモニターしました、というデモンストレーション(パフォーマンス?)でした。
5790のp. 1130:発生をやっている人には衝撃的な話
メダカの目の細胞をin vivo、single cellレベルで見た。細胞が一個一個適当に?目的の場所に動いて組織をつくるそうです。細胞がまとめて動かないのは面白いですね。
5790のp. 1137:糖尿病の人に朗報
経口の薬があるようなのですがどうでしょうか?とりあえず僕の家系には糖尿病の人がいないので、僕が将来お世話になることはないと信じたいです。

PNAS Vol. 103, No. 18を和田くんが。
p. 7124:脳の睡眠
睡眠をとるorとらないで3Dの地図を見たときの学習がちがうということだが・・・。
僕みたいに細菌を使っている人間は、人を使って地図を覚えさせたりする実験が少し滑稽に見えてしまう気がします。やっている本人は真面目なので不謹慎とは思いますが、職業病って怖いですね。

最後は坂野さんでCellの125 (5)と126 (4)です。
今更ですが、今日は部屋が暑かったです。少なくとも僕以外に坂野さんと田島さんが同意見でした。最後なので言い出せませんでした。
125のp. 897:まめな実験
生化学的手法により、MST1→FOXO3の酸化ストレス経路を決定した。何がくっついたとか、リン酸化を受けたとか、ひとつひとつ見ています。さらに、RNAiでひとつひとつつぶして・・・。大変ですね。
この実験はほ乳類でやられたのですが、線虫にもMST1に対しCST1、FOXO3に対しDAF-16というオーソログがあります。このDAFはエージングにも関わる因子として有名。CST1がこわれるとDAFが活性化されず虫は早死にし、逆にCST1過剰で長生きになるようです。しかし、CST1が何によって活性化されるか分かっていません。MST1のオーソログだが、酸化ストレスでは無いそうです。

以上です。

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