2006年 9月25日

さて、9月も最後の週になりました。
いよいよ秋到来ということで、朝晩が肌寒くなってきたので、体調が優れない人も多いのではないでしょうか。これから学会やイベント事が多い時期なので、体調管理には気をつけたいものです。
それでは講評に入ります。

Nature担当は伊藤さんでした。
Vol.442 No.7098, No.7099, Vol443 No.7108を紹介されました。
7099のp164の、直接脳の信号をセンサーでキャッチする実験は、よく情報系のテレビ番組などで見かけますが、早く発展してほしい分野だと思います。
7098のp82では、ヘルペスの宿主への潜伏のために、siRNAがアポトーシスに関与しているタンパクTGF-β、SMAD3のmRNAを標的にし、発現量を低下させているというものでした。
7099のp208での、ミオシンVの立体構造は、V字型をした両端のATPase部位にcargo-bindingドメインがくっついていて、アクチンに片一方の腕がくっつくというところは分かりましたが、それ以上のところがフォローできませんでした。勉強します…。
7018のp173のMDRトランスポーターが、(なぜか)ペリプラズムから入った毒素を3ステップで回転して排出しているという興味深いものでした。

Scienceは太田さんの発表でVol.312, 313。
312のp1950では、古細菌のRNA-アミノ酸結合酵素のうちグルタミンの結合に働くGatDEの構造で、Dループといわれる構造が重要だそうで、グルタミン酸とtRNA(Gln)にGatDEが働いてGln-tRNAができる。ここでDループをGluに変えても酵素活性は上がらなかったという結果が難しい。くっつくだけではだめなようです。
313のp944での鞭毛ダイニンの話は、図が多くまとめられていて、とてもみやすかったと思います。
同じく313のp968で、p53がコラーゲンの生産を高めて、がん細胞による血管の新生を抑えるというのは、どのようにコラーゲンが作用しているのでしょう?美容ばかりでなくほんとにすばらしいタンパク質だと思います。

PNASは本間さん担当で、No.36,37,(38)の発表ですが、38は目を通していないとのことです…。No.37 13618のバクテリアの水車(?) の実験は、Yahooで見ました。
13658と13712は、本間さんがいっていたとおり、良くわかりませんでした。
13872のFLETの実験はかしこい方法ではないかと思いました。自分の研究テーマでももしかしたら使える方法かもしれません。

最後のEMBOは田島さんでした。Vol.25のNo.12とNo.15の発表でした。
No.15の3702は、OmpGの構造の話でしたが、pHの変化でループが飛び出して蓋をするそうです。でもどうして酸性だと閉じるのかは良く分かりませんでした。
No.12の2911。FoF1ATPaseのb,d,F6複合体の細胞内部位の構造が解けたらしいです。しかし、膜貫通部位やaサブユニットの構造は分からなかったそうです。完全な解明が待ち遠しいです。今回のこの複合体は他のATPaseのそれと比べると硬いそうですが、指標が良く分かりません。

以上です。

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