2006年10月23日

Nature(寺島くん) Vol.422 No.7104, Vol.443 No.7110
p407:タランチュラの足から糸がでるというお話。正直いって驚きました。これまでクモが足場に乗る には、足の毛によるファンデルワールス力と摩擦が大事と言われていたらしいが、今回、足の先からも 糸を出すことがわかり、さらに糸の粘着力を利用している(滑り止め?)とかなんとか。
クモの巣のヨコ糸は粘着力が強いが、タテ糸は全くベタつかないというのは有名な話ですが、今回の足から出る糸は滑り止め用なのであれば、粘着力の強いタイプの糸なのでしょうか?そもそも糸状の形状をとるのか、それともただ足先に玉のように少し出るだけなのか?非常におもしろいと思います。

Science(川岸さん) Vol.313 Issue5784, Vol.314 Issue5797
p180&192:β−アクチンだけがアルギニン化されているというお話。βとγではわずか4/373 a.a.の違いしかないのに、局在様式が全く異なるのはおかしいということで、調べた結果、βだけが2つ目のアミノ酸残基であるAspがアルギニン化していたらしい。Ate1の変異体ではβ−アクチンが細胞質で凝集するなどおかしいことが起こるが、はじめから2番目の残基をArgにしておけば回復する。
同じような分子でも修飾のされ方で局在などにこうも影響が出るものなのかと感心しました。あと、アクチンの半減期が数日と長いということは知らなかったです。
p159:菌(バクテリア)が金(金塊)を作るというお話。
なんか…イイ!!オーストラリアのバクテリアらしいですが、世界中に同じようなヤツがいる可能性は高いですよね。なんかうまいこと使えないかな?

PNAS(小原さん) Vol.103 No.33
p12540:SARSのコロナウイルスの3aプロテインがK+チャネルを形成するというお話。チャネル・ブロッカーなどを用いて実験している。3aプロテインにはCys−リッチの領域があって、その領域内のM6という133番目のシステインがダイマー、テトラマー形成に重要らしい。
イムノブロットの結果をみるとC133A変異体では確かにダイマー、テトラマーが消失していますが、同時にモノマーもかなり減ってませんか?全体的にタンパクが少なくなってるように見えるのですが、分解ではないのですか?M6のシステインはタンパクの安定性の方に効いているとかそういったことはないのでしょうか?あと他の位置のシステインのAla置換体ではダイマーが増えてテトラマーが減るものや、ダイマーが減ってテトラマーが増えるものなどもあるのですが、そのあたりについてはどのような解釈をされているのでしょうか?

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