2006年12月18日

先日の有馬記念でディープインパクトが見事にラストランを決めてくれました。後続馬に3馬身差をつける見事な末脚を披露してくれました。有馬記念が終わると今年ももうすぐ終わりやなぁとしみじみしてしまいます。そういえば、今回の速報も年内最後でした。小嶋誠司さん、小嶋勝さん、鈴木君の3頭立てでおこなわれました。
 今年最後の速報、速報有馬記念を制した(MIP)のは小嶋勝さんでした。線虫はニコチンレセプターを持っていて、さらに常習性があることには驚きました。線虫のニコチンレセプターとヒトのニコチンレセプターの性質がどれくらい似ているのか分かりませんが、この線虫ニコチンレセプター研究で一儲けできそうな気がします。また、シナプス小胞に含まれる成分の解析結果から予想したシナプス小胞のイラストは見た感じちょっとキモかったです。
 小嶋誠司さんは未紹介の号をたくさん紹介してくれました。一番インパクトのあった論文は、ガンマ線当てても死なないバクテリアの話でした。この菌はガンマ線で殺菌したはずの缶詰の中から見つかったそうです。放射線などでぶちぶちに切れてしまったDNAを上手につなぎなおして元通りにするそうで、なんともタフなバクテリアです。DNA上でRecAがフィラメントを形成する様子を視覚化した論文も興味深かったです。
 鈴木君の紹介したPNASにはたくさんおもしろい論文があって紹介のしがいがあったかと思われます。つい最近の分子フォーラムで発表していたSecネタや、歯周病菌の歯への付着するのもヒドロキシアパタイトがエナメル質に結合するのも、エナメル質中のstatherinのC末であるという論文など興味深かったです。個人的には、マイコプラズマの細胞分裂様式の話が気になりました。やっていることは滑走タンパク質にYFPとCFPをつないでtime lapseで観察しただけで、特に新しい発見もないのですが、この菌で蛍光タンパク質を発現することはかなり大変なのでPNASなのでしょうか。ちなみに、マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)では分裂前に滑走装置のある頭部に新しい滑走装置ができて、それがだんだん頭部から尾部へ移動していって、その後尾部から新しい個体が切り離されます。
 今年の速報は、メンバーが少なくなるということで途中から1回3人体制になり、すぐに雑誌がたまりやすくなりました。要点を短くまとめる紹介の仕方が来年はますます要求されそうです。
では良いお年を〜!! (´∀`)/^^

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