2007年 4月24日

コロキウムの準備で前日徹夜で臨んだ速報でかなりグロッキーでした。それはさておき。

小原さん:Nature 2007 vol. 445 no. 7128, vol. 446 no.7133

p53タンパク質に関する報告が3報。p53が細胞内に少しでもあれば癌の抑圧が可能だという話。(p53が癌細胞のアポトーシス、老化を引き起こすらしい) 腫瘍マウスにp53の一時的な発現をさせると腫瘍が消滅したというデータがありましたが、マウスが腹巻きをしているみたいに見えました。

寺島さん:Science 2007 vol. 315 no. 5811, no.5819

Tリンパ球の分化に関する報告。Tリンパ球がdendritic cellと細胞間相互作用している面にeffector cell特有のタンパク質が局在した状態で細胞分裂が起こり、この非対称な分裂がその後の予定運命の差異を生じるらしい。あと、植物の種子休眠や落葉に関与するアブシシン酸のレセプターが発見されたという報告もありました。
予定運命の誘導やアブシシン酸などは高校生物でお馴染みの話です。それらの研究報告を聞いて、高校時代に習った知識は決して教科書の中だけの知識ではなく、研究者が実際に実験を通して発見してきたものなのだと改めて思いました。

小嶋誠司さん:Cell vol. 128 (2)(4)(5)(6)

モータータンパク質のprocessive ,non-processiveの違いをデモンストレーションしていました。もう速報レジュメ図中のモータータンパクが誠司さんの脚にしか見えません。

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