2008年 7月15日

 暑い日が続きますね。「夏風邪はバカがひく」というのを実証してしまった吉住です。皆様、エアコンの使い過ぎには気をつけましょう。

檜作さん Nature, 452(7189), 454(7200)
 細菌の遺伝子ネットワークの進化について。プロモーターと別々の転写因子またはσ因子遺伝子との組み合わせ598通りと、ものすごい量の組み合わせで野生型 のgrowthを見ています。「新たなネットワークはほぼ大腸菌で許容される」という結果、細菌は適応能力に富んだ生物だということを再認識しました。原始細胞の膜のお話。(きちんとした小胞になっているかどうかはさておき、)原始細胞においては、膜自身の透過性が高いらしい。これはこれで面白かったのですが、やはり透過装置はいつごろ、どうやって出現して進化してきたのかが気になってしまいます。

寺島さん Scinece, 320(5878, 5882)
 ほ乳類の概日時計のお話。マウスの脳をスライスして336時間観察を続けられることに驚きました(←驚くポイントがずれてるかも…)。cAMPが関与しているらしいことは判りましたが、cAMPの濃度はどのように制御され、どうやって時計を刻んでいるのでしょう?酵母における新たなタンパク質相互作用解析ツール。Two-hybridとは違って、タンパク質の局在性やトポロジーも加味されるとのこと、賢い方法ですね。ただし許容される距離が少々広いらしいのが、問題点かも。

北島さん PNAS, 105(16, 17)
 GPCRの一つであるSREB2を過剰発現すると脳のサイズが小さくなってしまい、統合失調症と関与しているかも、という話。他者との関わりを避けるようになるためひげが長いままという説は少し?な感じですが、統合失調症の薬のターゲットとしては魅力的な気がします。大腸菌のchemoreceptorをYFPで可視化し、FRAPを行った実験。Signalの上流ほど、分子の入れ替わりが起こっていないというのは理にかなっていますね。

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