2010年 2月1日

入枝さん:Nature (No.7268, 7269, 7270)
進化の話が2つ。ひとつは大腸菌のゲノム進化と適応速度の関係を21年間4万世代にわたって解析したそうで。継続は力?適応速度は早い段階で頭打ちになるが、DNAの変異は一定らしい。適応の定義が分からない。どんな条件で継代培養しているのだろう。もう一つは、振盪培養と静置培養を繰り返すと、ある遺伝子に変異が入り、菌が2種類のコロニーを形成するようになったという報告。それぞれのコロニーにどういったアドバンテージがあるのでしょう。僕が山口で扱ってた酢酸菌も異なった培養を繰り返すことでコロニーの形状、呼吸鎖が変化するので、興味深いです。

吉住さん:Science (Vol.324 No.5935, Vol. 325 No. 5943, Vol.327 No.5964)
ジアシルグリセロールキナーゼの構造が溶液NMRで側鎖レベルまで決まりました。すごいのは、このタンパク質が膜タンパクで、40KDaが3量体を形成していること。らしいです。この手のリボンモデルの図が出ると思わず「その結晶構造は…。」といってしまうのは、どこかで、構造=結晶と思い込んでいるんでしょうね。アメーバのネットワーク形成は話題になりました。いつの日か、都市計画を微生物に委ねる日が来るのでしょうか?

小嶋さん:PNAS (Vol.106 No.30, 34, 36, 39, 41, 42)
ヘリコバクターが、自身の周囲のpHを高くすることで、腸管内のムチンの粘性をさげて遊泳しているという話。そして、メリビオースパーミアーゼの構造の話。昔はみんな知ってたらしい。メリビオースって、どんな糖なのでしょう?僕ははじめて聞きました。にしても、時間を考えると6冊って多すぎません?

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