寺島さん
Science、今回はあまり、心うごかされる論文がありませんでした。あえて選ぶなら、べん毛で使った技術をDNA複製に関与する蛋白質に対して応用して、ストイキオメトリを推定したということで掲載されたオックスフォード大学のMark Leakeの仕事です(#5977, page 498)。これが寺島さんの分4最後の速報です。ちょうど、アメリカからの書類も到着して、出発準備を頑張って下さい。
Li Naさん
寺島さんが最後なら、Li Naさんは分4デビューです。2報を読んで、小嶋さんと発表練習までやったようです。カルボキシソームのような集積した蛋白質の小構造体をサルモネラ菌や大腸菌が嫌気状態でエタノールやプロパンジオールを資化するときにもおなじような構造体(microcompartments:MCPs 紛らわしい名前ですが)を作ります。B12-dependent 1,2-propanediol利用に関与するMCPについての研究で、その構成蛋白質がMCPに取り込まれる為に、N末端配列が重要だという話です(PNAS, 107(17) page 7509)。先日、Scienceの論文で吉住さんが、同じような酵素複合体の論文を紹介していました。生物工学的な観点から、研究ブームになるかも知れないと思いました。