2010年 6月14日

小池君(Nature Vol. 464 No. 7291, 7292, 7297)
・p987, 1012:1個のリボソームの翻訳をリアルタイムで観察したという話。50-200nmサイズの穴の底にmRNAを付けて1個のリボソームをTIRFで見るという手法で、結果もなかなかキレイでした。
・p441:大腸菌(膜ドメイン、3.9A)とThermus thermophilus(全体、4.5A)の呼吸鎖複合体Iの構造を解いたという話。スゴイ。ほぼ同じ構造でプロトン透過経路をもつタンパク質(Nuo...)が膜内で並行に並んでいる。さらに、水平方向にヘリックスを伸ばした別のタンパク質がピストン様の動きをすることで、複数のプロトン透過経路が同時に開くモデルを提唱している。3連キャブレターのシンクロした吸気系みたいでわかりやすかったです。(この例えはバイク・車好きにしかわからないかもしれませんが...)

誠司さん(Cell Vol. 140 No. 1,2,3,4)
・p136:植物の温度感知メカニズムの話。シロイヌナズナの培養温度を変えて、温度感知から成長への間に関わる遺伝子を探索している。なんとなく進んでいる分野かと思っていたのですが、意外に分かっていなかったのですね。
・p327:ヒト精子のプロトンポンプの話。ヒトの精子の細胞質をアルカリ化するのに効いているプロトンポンプ(Hv1)を発見している。しかも、後部に長く伸びた鞭毛に大量に存在しているのはちょっと驚きでした。勝手なイメージではそういうのは前部にありそうな感じがしてました。

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