2007年 10月15日


秋です。いよいよ朝晩と涼しくなってきました。食欲、芸術、体育などなど、一番快適な季節を、皆さん楽しみましょう。
私、秋は京都のお寺めぐりと決めていたのですが、今年は宿が取れなさそうなので、困ってます。 そして、秋から冬にかけて学会の季節でもあります。皆さん(特に自分)がんばりましょう!

では、感想。

Nature Vol.449 No. 7161 楠本さん
哺乳類の奥歯(臼歯)が発生の段階で制御されているというお話。手前側から順に成長していく際、手前の歯から何かインヒビターがはたらいて、後ろ側の成長が抑えられているそうだ。また、歯の大きさもアクティベーターとインヒビターの関係式とマッチングするそうな。ところで、親知らずは何で生えてくるんですかね? ヒトのにおい(脇の)レセプターとして得られたOR7D4の話は、フェチズムとも関係してるのかな?と発表中に思いました。このタンパクひとつでは腑に落ちませんが、もっと多くのレセプターが複雑に関与しているんでしょうね。

Science No. 5834, 5835, 5837 本間さん
普段よく耳にはするが、あまり馴染みの無い脳の海馬のお話。男女間で肝癌になりやすさが違うのは、MyD88依存的なIL-6の生産が性差で異なるという話。など、医学寄りなテーマ。なかなか分かりにくいと思った。最後の、B. subtilisの話はちょっと気になったんだけど…ノイズって何ですか?

PNAS 2007; 104 (28), 104 (40) 寺島さん
結核菌が肺にくっつき潜伏するためには、低酸素条件下でNOが必要であり、センサーキナーゼDosS、DosTがそれぞれ酸化還元、低酸素センサーとして働くことで可能になっているというお話。先日の私の速報ではないが、生物は、ともすれば猛毒でもあるNOと実にうまく付き合っているなぁと感心する。そもそも、空気中の酸素だって、相当な毒であるわけだし。生きる力はすごいです。

と、なんだか今週はいつもと毛色が違うというか、雰囲気が違ったような印象を受けたのでした。


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