2011年1月17日

今日は出席者が少なく大変寂しい速報でしたが、外では待望の雪が降る涼しい状況がせめてもの幸いでした。やっぱり雪が降らないと冬じゃないと思います。うちの子ども達も大喜びでしたし。

さて本題

Nature(高橋君)Vol. 468, No. 7325
Scramblase の仕事。蛋白が同定され局在も見られた模様ですが、カルシウムイオンやリン脂質との関係(例えば結合部位の有無など)も分からず非常に多くの謎が残されたままです。たしかにPSが細胞膜の外側に出っぱなしになると色々不都合なのですが、、、病気との兼ね合いに話が持っていかれているのもその理由だと思います。今後の発展に期待したいものです。(現象自体は大変興味深いので)あと、カルシウムイオンを加えただけでリポソームは挙動を変える事も有るので、皆さん実験する時には気をつけて下さいね。

ショウジョウバエで、体壁に光センサーを見つけましたという仕事。神経生理から攻めているので分子レベルの実態がまだ分かっていないのは良いのですが、なぜ体壁にあると言い切れるのか全然分かりませんでした。(多分、ddaC neuronが体壁に繋がっているなどの先行研究の蓄積があるのでしょうが。)もし私がこういうタイトルをつけたら絶対Overstateっていうコメントが返ってきそうな気が致します。

やっぱり新しいNatureのHPですが、頁がすぐには分からないので、何となく不便です。

Science(鈴木君)Vol. 330, No. 6010, p. 1533
細胞性粘菌、Dictyoの性決定に関わる蛋白質を同定した仕事。不勉強でした。細胞性粘菌には性別が3つあったのですね。学生時代から何度もこの生物を素材にした研究について講義を受けてきたはずなのに全く知りませんでした。迂闊でした。性決定は生物種毎に色々あって複雑で面白いのですが、漸く蛋白が決められたのは良かったです。今後が楽しみです。しかし100残基ぐらいの蛋白質って確かに中途半端な大きさです。不思議です。

あとNebulinもWASPもアクチン制御に重要な有名な蛋白質なので、もしもまた機会があったら(!?)是非読んで下さいね。(p. 1536)

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