2011年6月16日

Science vol.332 issue 6030
717
IFN-γによって誘導される65kDaのGTPaseが細菌の感染に関与しているというお話。その中でもGBPファミリーについて解析していました。マウスにおけるGBP欠損株の結果から、やはりGBPがないとバクテリアに感染しやすいらしい。また、バクテリアはマクロファージによって取り込まれ小胞にたまる。GBPはNADPHと相互作用して小胞へリクルートされ、そこでバクテリアを殺す働きをしているらしい。

729
線虫の神経細胞にあるGPCRが自然免疫を制御しているというお話。バクテリアを感染させた線虫において、GPCR欠損株の影響を見ていた。その結果GPCR欠損株では、免疫力が上がっていた。つまり、GPCRが免疫力を負に制御していることを示している。GPCRを欠損させた株では、abuの発現が増えていた。このabuが免疫に働いているかどうかを見るため、GPCR欠損株にさらにRNAiによってabuを欠損させた株では、免疫力が下がっていた。つまり、免疫に働くabuをGPCRが負に制御しているため、GPCRが自然免疫を制御しているのではないかという話でした。abuは神経細胞以外でも働いているので、この機能についてもっと調べたらいろんなことがわかるのでは?と思いました。

Science vol.332 issue 6034
1163
ヒ素で生育するバクテリアを単離したというお話。核酸の中にもヒ素が含まれていたというのには驚きました。実際細胞内にあるヒ素をどのように使っているかなど今後調べていったら面白いのではないかなと思いました。

1202
マルトーストランスポーターの中間体の結晶構造が解かれたというお話。常に基質と結合するMBPの変異体を使って大腸菌由来のMAL F-G-K複合体との共結晶をとっている。Inward-facingでは、WAとD-loopが離れているためATPase活性が低いが、outward-facingではWAとD-loopが近いためATPase活性が高いのではないかと考えられている。ATP活性には、D-loopとWAがきつく結合することが大事だと結晶構造から推測されている。結晶構造以外からもこの結合が重要であるということが言えるといいなと思いました。

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