2011年6月23日

郷原さん(Nature Vol.473 No.7346, 7348, Vol.474 No.7349)
No.7346, p.181
酵母における小胞体からゴルジ体への小胞輸送において、その方向性を決めるのは何か?ということで、TRAPPIとHrr25pが競合的に小胞被覆複合(Sec23p/24p)に結合することが重要なことが分かりました。では逆に、ゴルジ体から小胞体への輸送の方向性を決めるのは何なのでしょうか?

No.7348, p.484
pull-downと一分子蛍光顕微鏡観察を組み合わせることによって、より高感度かつ定 量的にタンパク質間相互作用が観察できる、という技術の話。確かにwesternのバンドを見せられるより、視覚的には分かりやすいのかもしれません。

No.7348, p.540
結晶構造を算出するための新しいアルゴリズムを開発したという話らしいのですが、いまいち何をやっているのかよく分かりませんでした。どうやら初期モデルとの相同性が30%未満の時でも、2つの経路を介して修正していくことで構造を解くことが可能になる?みたいな感じに解釈しました。

No.7349, p.87
蚊のCO2感知について、神経の活動電位をCO2の感知時に模倣させるような物質や、逆に反対の活動電位を発生させるような物質を発見した、という話。これらの物質によって蚊を誘引したり忌避させたりが可能らしいのですが、実用化はどれくらいで可能なのかとか、それらの物質の人体への影響はどうなのかとかが気になるところです。

本間さん(PNAS Vol.108 No.21, 22, 23)
No.21, p.8634
末端酸化酵素シトクロムオキシダーゼの水分子をFTIRで見たという話。ウシとバクテリアのものを比べても違いが無かったということで、ウシ(推定H channel型)とバクテリア(推定K, D channel型)のどちらかが間違っているであろう、ということらしいのですが、バックグラウンドをあまり知らないためよく分かりませんでした。

No.21, p.8639
DAGKをlipid cubic phaseに埋め込んでも、活性はちゃんとあったという話。ですがそもそも、lipid cubic phaseなるものを知らないため何がすごいのか分かりませんでした。

No.22, p.9049
ペプチド性の界面活性剤を加えた条件下でcell freeでタンパクを合成させることが できたという話。いい感じのpeptide surfactantをデザインすれば、効率よくタンパクを合成できるのでは?みたいな話をされていました。

No.23, p.9384
土壌細菌シュワネラの電子伝達に重要な外膜タンパク質MtrFの構造を決めた話。内膜で発生した電子をMtrFに送ってそこからナノワイヤーやpiliを伝って細胞外へと放出されるようです。同じような機構がビブリオにも存在するのでしょうか?

No.23, p.9390
nano diskのお話。膜構造タンパク質(MSP)の大きさを様々に変えることでnano disk の大きさを自在に制御できるらしく、これを利用してMCP/Cheタンパク質複合体の最小単位およびその化学量論性を明らかにした、ということらしい。私は初めてnano diskをなるものの存在を知ったのですが、べん毛タンパク質にも応用できたりするのでしょうか。

No.23, p.9431
リポソームのお話。平面膜を作っておき、そこにジェット噴射を当てることによってシャボン玉の原理でジャイアントリポソームができあがるという話。平面膜の時に片面に修飾やタンパク付加をすることで、リポソームの内外層の組成を変化させることができ、より生体膜に近くなるとのこと。タンパクのリポソームへの再構成の際にも、使えそうな手法なのかなと考えました。

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