2011年10月31日

誠司さん(Science #6023, 6026, 6029, 6033, 6054)
#6023, p1409
ショウジョウバエ神経の光応答的な神経発火の話。クリプトクロムが青色光を受容して神経発火を制御しているという話でした。

#6026, p234
ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の活性の話。N23残基周辺がフラフラとしていることが高い活性に必要だということをNMRなどを用いて証明していました。しかしなぜ残基のふらつきが高い活性につながるのか、いまいちイメージがわきませんでした。

#6029, p604 & p544(NV), #6033, p1089
S-アデノシルメチオニン(SAM)依存的メチル基転移の仕組みが新しく分かったという話。RlmNのC355から23S rRNAのA2503へとメチル基が転移されるというのを重水素を使って証明した、という話だったように思います。また、RlmNとSAMの共結晶が解かれて、SAMとC355が近傍に位置すること、C355がメチル化されていないときにジスルフィド結合を形成するC118もC355の近傍に位置すること、などが分かりました。先見情報と結晶の結果が合致していて、非常にきれいな結果だと思いました。

#6054, p366
バクテリアの外界刺激に対する応答は、パルスの頻度によって行われているという話。MPAという薬剤の濃度依存的なsigmaBプロモーターの活性化の頻度をYFPによって検出していました。パルス自体は単純なネガティブフィードバックによって発生するようでした。

#6054, p380 &p320(NV)
V型ATPaseをMSで飛ばしたという話。菌をdetergentで処理してミセル状態にして、そのままMSで飛ばして、個々の構成因子の外れやすさとかストイキオメトリーとかを調べたという話でした。本間先生が「べん毛の基部体でもやってみればいいじゃん」とおっしゃっておりました。

岸君(PNAS Vol.108, No.38, 41)
p16032
ピロリ菌の感染の話。ピロリ菌のVacAがhostのもつDRP1(ミトコンドリアの分裂に必要な因子)をミトコンドリアに集合させ、ミトコンドリアの断片化を引き起こし、さらにBax(アポトーシス関連因子)の活性も高める、という話らしいですが、それぞれの因子間の関係性とか互いにどう制御しているのかとかがいまいち分かりませんでした。

p16038
アルボウイルスの感染性(病原性)の話。このウイルスはNSP4(RNA依存的RNA合成酵素)なるものをもっているらしく、そのC483Y変異によってゲノムRNAへの突然変異の出現率は低下するが、host(蚊とマウス)への感染力は低下するという話らしく、おそらく変異が生じにくくなることによって、hostの多様な免疫系に負けてしまうのではないか、という話でした。

p17159
ケモカインとFtsXの関係性の話。ftsX欠失バシラスにおいて、CXCL10(ケモカインの一種)への耐性を示すらしく、CXCL10はstationary phaseに膜上のFtsXに結合・作用して、菌を殺すという話でしたが、その具体的なメカニズムに関してはまだ分かっていないのか、よく分かりませんでした。

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