2007年 11月19日


北島さん Nature
神経関連の話でした。全く知らない分野だったので難しかったです。内容はPOMC ニューロンによるグルコース感知はグルコース恒常性を制御して、肥満の場合には損なわれるという話でした。肥満や糖尿病に深く関わりのあるタンパク質だそう で、今後この糖尿病の薬理学的治療における研究にとって意義のあるものだとい うことらしいです。

小嶋誠司さん Science
人の腸に感染して下痢を引き起こさせるParasiteの Giardia lamblia という寄生 性の原生動物に関する話なのですが、必要最小限の遺伝子でいくつものオーバー ラップを持っていてコンパクトでよくできた機構を持っているそうです。遺伝子の 解析より、真核生物における進化上の位置づけでどこに分類されるか分からな かったらしい。アメリカで多くの人がもっともよく感染する寄生生物の一つだそ うです。日本では感染するのかどうか少し気になるところであります。

須藤さん PNAS
生物物理系の話で、88%のsequenceが同じだが機能と構造が異なる2つのタンパク質をデザインして解析したという研究を報告されました。分子生物や遺伝子関連で研究する上では、どれくらいsequenceが一致していればhomologなのかは、すごく本質的な事だと思うし、面白い研究だと思った。

本間さん EMBO
Tau protainとdynactin complexの相互作用に関する話。Tau proteinは神経軸索 内の微小管結合蛋白で神経細胞内の物質輸送に重要な微小管に結合して、微小管 の形成を促進したり、微小管を束ねたりする機能があるらしい。また認知症やア ルツハイマーとも深く関わりのあるタンパク質であるそうです。今後の病理学的 研究を進める上では、今回話の最後に紹介された軸索微小管とダイナクチン、ダイニンcomplexとの相互作用におけるTau proteinの役割を示したモデルは重要な位置づけになるだろうと思いました。


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