2012年1月30日

今日で学生生活最後の速報感想となりました(無事卒業出来ればですが…)。修論書いている人もいれば、就職活動が本格化している人もいるという状況で、ほぼ全員がそろって速報ができるのは、非常に喜ばしいことだと思います。まぁ、そんな感じで今日の発表者は、岸さんと本間さん、割石さんでした。

岸さん(PNAS vol. 108 #49,50)
#49(19737)
コレラ菌の感染力にバイオフィルムの形成が重要だという話。バイオフィルムの生合成に関わる遺伝子を欠損させると、ハエにコレラ菌が感染しにくくなるらしい。バイオフィルムがどう効いて感染しやすくしているのかが、ふわっとした説明でよくわからなかったが、とりあえずバイオフィルムがすごいことはわかった。

#50(20136)
原核生物でファージやプラスミドに対する獲得免疫機構として機能しているCRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)システムの活性をHigh-temperture protein Gというタンパク質が制御していることが新たにわかったという話。続々と新しいことがわかってくるCRISPR。コロキウムのテーマとして使ってみてはいかがだろうか。

本間さん(Nature #7379,7380)
#7379(p94)
Ca2+依存性K+チャネルの開口機構の話。いままでcloseの状態の結晶構造しか解けていなかったが、今回、Ca2+存在下でopen状態の結晶構造が解かれた。MotBやPomBに似た構造があり、しかもその部分のαへリックスが伸び縮みするということが示されており、とても興味深かった。

#7380(p515)
クライオ電顕を用いて、高度好熱菌Thermus thermophilus由来のH+駆動型ATP合成酵素の単粒子解析を行った話。分解能は、9.7Å でかなりキレイに構造が見えていた。こういう話を聞くと、海洋性ビブリオ菌のべん毛モーターもこれぐらいキレイに見えないものかと思ってしまう。

割石さん(PNAS vol. 109 #2,3)
#3(923)
蚕に蜘蛛の糸を作らせるという話。yahooニュースにも出ていたので、結構インパクトがある研究なんだと思う。

#3(947)
メタン産生菌(古細菌)のATP合成酵素が、H+とNa+に共役してATPを合成しているという話。環境にあわせて共役イオンを使い分けているらしい。海洋性ビブリオ菌も使い分けしたりしていないのだろうか。

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