2012年2月6日

竹川君 PNAS vol.108 No.35,36 vol.109 No.4

・ Augminが減数分裂の初期段階で、マイクロチューブの合成と、二極的に並べることに働くということを示した論文。どうでもいいけど、竹川君って染色体分配の話好きよね。

・ Bartonella henselaeのT4SSを利用して、ヒト細胞に遺伝子を接合で導入・発現させる話。T4SSのエフェクタータンパクのシグナル配列であるBIDを、DNAトランスポーターのMobにつなげることによって、より高効率な遺伝子導入が可能になった。将来的にはDNAワクチンみたいな治療に利用出来るらしい。

・ Helicobacter pyloriが感染すると胃ガンになることが分かっていたが、そのメカニズムは分かってなかった。今回、ピロリ菌によってホストのDNAがズタズタに切断されて、結果として胃ガンが発症することが分かった話。このDNAの切断はピロリ菌の病原性には非依存的で、病原性に関わる因子を欠損させてもDNA切断能は保存されているらしい。今後はこの切断にどんな遺伝子が関わってくるのか調べられるんでしょう。

・ 緑膿菌に広く保存されているが、機能未知だったrhs遺伝子が病原性に関わっていることを初めて示した論文。病原性とかならすぐに分かりそうな気がしますが、意外に分からなかったらしい。他のrhsファミリーがどんな経緯で同定されて、今後どんな機能を持つのか気になるところ。

・ ハチの役割分担には体の大きさが関わっているということを示した論文。防衛・掃除・食料調達の順に体が小さくなるらしい。防衛するやつがでかいのはいいとして、食料調達は体が大きい方がたくさん運べて、掃除は体が小さい方が隅々までキレイに出来ると思ったのは私だけでしょうか?あと、ハチの形態形成に関わる遺伝子と、役割に関係性があったら面白いですね。「生まれながらにして体を張って巣を守らなければならない運命を背負っている」とかだったら胸熱です。

BACK