2012年4月23日

平子さん
Nature Vol.480 No.7377,7378
1) HIV-1のワクチンの候補としてPG9が見つかりましたという話。これまでHIV-1のワクチンは糖鎖がいっぱいあることや、アミノ酸置換がすぐに起きてしまうことから作りにくいとされてきました。それが今回HIV-1に感染しない人から血清を取ってきて、モノクロを作りHIVに対して広く効果を発するものが取れました。これが広く効くのは、主鎖にコンタクトするからだそうです。今後のHIV-1ワクチン研究に期待です。
2) メラノーマは皮膚ガン。今回キナーゼドメインの変異ではなくダイマー形成の阻害によって活性化が阻害されたことから、ダイマー形成がガン誘発に重要であることが明らかになりました。今後、ダイマー形成阻害するものをターゲットにして薬剤を作るそうです。
3) はしかウイルスがマクロファージから出るときに、nectin-4を足場にしていることを発見した論文。
4) 時計とエネルギー産生のお話。エネルギー代謝のレセプターと時計のタンパク質が直接結合することによって、昼は糖産生がoff、夜は糖産生がonになっていることを明らかにした論文。時計が動物においても重要であることが示された論文でした。

竹川くん
PNAS vol.109 no.7,10,14

1) 真核生物のNa+チャネルの4つのドメインのvoltageセンサーにあるグルタミン酸をグルタミンに置換して調べたところ、ドメインIVのvoltageセンサーがイオンを感知していることがわかったという論文。
2) バクテリアの走化性レセプター(6量体)はトライマーダイマーが集まってできていることがわかったというお話。
3) 大腸菌の繊毛はほとんどがEcpAでできています。ホスト細胞の付着にはEcpDが重要であることが明らかになった論文。それがバイオフィルム形成にも関与してるというお話でした。
4) オプシンでのレチナールの出入りを見たという論文。ロドプシンのopeningAとBに一残基置換変異を入れてレチナールの出入りを見ています。その結果取り込みが抑制されていることが示されました。レチナールがopening AとB を使って出入りしているのが示された?という論文。
5) は枯草菌の胞子形成の際に、母細胞と娘細胞の間にチャネルが形成されるそうです。そのチャネルの共結晶をとったというお話。何回対称なのかは論文によって異なっていました・・・。symmetryを決めるのは難しいのかなと思いました。

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