2013年1月21日

米田君 Nature #7427(6 Dec) #7428(13 Dec)
#7427
腸管出血性大腸菌などの菌がfusK、fusRという遺伝子によって糖の一種であるフコースの代謝の制御をしているという内容でした。腸管出血性大腸菌はフコース以外の糖も代謝出来るので、ここを潰したからといって病原性を失う、というわけではなさそうですね。

有毛細胞の感覚糸が、何種類かのカドヘリンから構成されているという話でした。本間先生も言っていましたが。プロカドヘリン15とカドヘリン23の間に何らかの相互作用が存在しているのかどうかが気になりますね。

#7428
おなじみTatの話。TatCの構造が明らかになり、重要な荷電残基が示されたという定番の流れでした。大事なことであるのはわかるのですが、やや新鮮味に欠けた感。変な構造を取っていたりしたら面白いのですが。

テロメアを修飾するシェルタリンという物質に関する論文。この辺りに関する知識は殆どないのですが、テロメアーゼの集合とテロメアのキャッピングを別々に行うことによるメリットはどういうものなのかが気になりました。

平子先生 PNAS 109(32) 07/Aug、109(34) 21/Aug
12848、13088
バシルスのバイオフィルムに関する論文。ヘテロ型のバイオフィルムにバシルスが侵入すると、自身の持つ抗生物質により他の種を駆逐し、バイオフィルムを乗っ取るのではないかという面白い考察をしていました。

12944
Msc(mechano sensitive channel)Lの構造の論文。ホモ5量体を構成するらしいのですが、興味深かったのは、穴の部分に変異を入れて、5量体のうち一つだけを外部刺激によってopenさせると、他の閉じた穴もopenになるように誘導されるという点でした。どのような機構でそういった制御を行っているのでしょうか。

12992
TalinAという細胞接着に関わるタンパク質の論文。哺乳類ではnullだと致死なのですが、粘菌だと死なないらしく、それを利用して観察を行っているという点がミソなようです。細胞分裂時に出来るリングにも影響があるらしく、FtsZの事を思い出しました。関連性はないのでしょうか。

13763
筋ジストロフィーに関する論文。致死性の高いルシャンヌ型?を比較的症状の緩いベッカー型に移行させることがマウスにおいて成功したという内容でした。ルシャンヌ型が起こりやすい変異が入るエキソンの位置は決まっているらしく、そこを落としてしまうことで防ぐ、という方法らしいのですが、何らかの副作用がありそうですね。

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