2013年1月28日

西垣くん
  Nature #7424(15/Nov)
1)赤毛/白い肌の人は黒色種を発症する可能性が高く、これは色素産生を制御し ているMC1Rの不活性化によって生じていると考えられていました。MC1Rの活性が最小のときは、紫外線防御が弱いフェオメラニンが合成されます。今回はマウスを使って黒色種形成を引き起こす紫外線非依存的経路を発見したという論文でした。人でいう赤毛/白い肌のマウスは紫外線照射なしの条件下でも生存率が低く、紫外線以外の経路が原因であることが考えられました。このマウスでは、DNA損傷や脂質の酸化的損傷が多く、これがガン発症の原因である可能性が示されました。紫外線以外にも黒色種発症の原因が見つかり、今後の治療に役立てばいいなと思いました。

Nature#7425(22/Nov)
3)海洋堆積物中のメタン酸化は硫酸塩の還元と共役して起こります。これまで、この酸化還元反応はメタン酸化古細菌とデルタプロテオバクテリアの共同体で行っていると考えられてきたが、今回メタン酸化古細菌だけで行っていることが明らかになったという論文。個人的に面白いなと思った論文でした。

大羽くん
SCIENCE #6109(16/Nov)

1)病原性細菌の中には単一の宿主のみに感染するものがいて、例えばチフス菌は人にのみ感染します。今回サルモネラ菌のT3SSエフェクタータンパク質GtgEをチフス菌中に発現すると、チフス菌の宿主制御がなくなり広範囲に感染するようになったという論文。これって何の役に立つのかな?

SCIENCE #6111(30/Nov)
3)LPSの外膜輸送の仕組みを明らかにした論文。まずLPSとLptCが結合し、その後ATPaseを使ってLptAと結合し、外膜へ移行するというモデル。

4)Notchシグナルがリガンドを識別するという話。Val361はSerrate-Notch結合には必要だが、Delta-Notch結合には必要ないことが明らかになった論文。たった1アミノ酸によって識別されるかされないかが決まるとは…やはり生物は奥が深いなと思った論文でした。

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